2012年10月31日水曜日

イケメン力士・鯱ノ里

先日のお三味線のお浚い会の時に、松の会でお世話になってるステキなおばさまA山さんと久しぶりでお話をしたのですが、その時の話題がお相撲でした。
江戸っ子のA山さんは、若い時からお相撲がご贔屓で、本当に詳しいのです。

いろいろなお話をお聞きしたのですが、一番面白かったのは、力士の体躯がいかにオーラがあるか、色気があるかという話で、かつて誰より綺麗だった力士は「鯱ノ里」という名古屋出身の力士だったと教えてくれました。

鯱ノ里 一郎(しゃちのさと いちろう、本名:松崎 一雄(旧姓:加藤)、1914年8月11日 - 1981年5月21日)は、愛知県名古屋市中区出身の元大相撲力士。若枩部屋所属。最高位は西前頭3枚目(1938年5月場所)。現役時代の体格は179cm、130kg。得意手は左四つ、上手投げ、寄り。
美男力士として女性に人気が高かった。当時としては重量級で腰が重く、左四つからの投げを武器に横綱玉錦と水入りの大相撲を見せるほどの実力があったが、のんびりした気性が災いしたか三役経験はなかった。アキレス腱を切って十両に陥落したものの再び幕内に返り咲き、実力の片鱗を見せた。
(Wikipediaより)


…「鯱ノ里」…どんな力士だったんだろう、画像で見たいよな…と想像を膨らませてみつつ、(でもどっかで聞いた気がするんだなぁ…)と記憶をめぐらしてみると、そうだ、小沢昭一さんの本で見たんだ!!小さい時にお父さんの写真館で、一緒に写真を撮ったお相撲さん…!!!!!!!と思い出しました。→岩波新書「道楽三昧」、所収です。

と言うわけで、「鯱ノ里」見つけました。
たしかに美形のイケメン力士ですね

あースッキリした。


2012年10月30日火曜日

手ぬぐい虐待

お浚い会も終わったので、演奏会仕様にしていた胴掛けや根尾を、練習仕様に戻して、糸も取り替えました。
で、ふと気づいてしまったのですが…。


三味線のケースに入れて愛用している中村勘三郎襲名記念の手ぬぐいが、ぐいーっと糸を伸ばすとき(十分に伸ばさないと音が狂ってくるのです)の手のカバーに使われて、糸の力で摺れて傷だらけになっていました。
お浚い会が近づくにつれ、お稽古中に三の糸が切れる!切れる!で、ほぼ毎日取り替えていたので、この手ぬぐいも虐待されたみたいになってしまいました。

痛々しいけれども、苦楽を共にしている感がありますよ。

2012年10月28日日曜日

忠美恵会の芋煮パーティ

せっかくS市に来てくださった東京の「松の会」一門のみなさんをおもてなししたいと、忠美恵先生のご自宅にお招きして芋煮パーティーをすることになりました。

昨日の看板が玄関に…。



 厨房でてきぱき立ち働く姉弟子のみなさん。ご苦労様です!
こういうとき出来そこない主婦の虫六には入る隙間がありません(汗)
山形出身の姉弟子Gさんがつくる「芋煮汁」は掛け値なしに絶品なのです。忠美恵先生はとにかく秋口になると「Gさんの芋煮汁食べたい」とつぶやきはじめ、お陰でわれわれも毎年ご相伴にありつけるわけです。


 そろそろお汁ができたころ、「松の会」のみなさん、ご到着。
リビングを広く使って、みんなでワイワイ歓談しました。
今日は市内では大学女子駅伝がありまして、あちこち交通規制な上、雨模様だったので、先生のご自宅でゆっくり飲んだり食べたりして過ごしたのでした。
自己紹介を一巡りしたら、個性的で活き活きした人ばかりで面白かったなー。


 パーティーの終盤、兄弟子・K藤さん(本職は弦楽器職人、津軽三味線ではプロで活躍)が津軽三味線を演奏してくれました。ちょっとした蘊蓄話にも身を乗り出して興味津々のみなさん。勉強熱心なのでありました。


つか…ちょ、超絶テクニックなのでありました。
さすが「太鼓の曲」を1週間で舞台にのせる人だ…。実力が違いマッスル。
虫六のまわりはすごい人ばっかりだな〜と、改めて思い知るのでした。

それもそうですが、今回の会が無事におさまったのは、K藤さんの制作力に追うところが大きいのでした。演奏のノルマも高かったのに、あれこれ裏方仕事までこなして、本当にお疲れさまでした。今後ともよろしくお願いいたします。

お帰りの時、玄関口で圭江先生が都はるみの「好きになった人」のさわりを熱唱…ステキすぎる。(♪さよぉ〜なぁら、さよな〜ら…ってヤツですね)


いつもの年なら、「あ〜、今年のも終わった!」とどっと安心モードになるのですが、今年はここで気が抜けない次の舞台がございます。
12月24日(月)、(なんとまたも)国立劇場(東京)
「松永鉄九郎師籍30周年記念演奏会」  でありんす。
今年は、盛りだくさんだなぁー(苦笑)


○今日の定世師匠語録
「昔の人は、『曲を身につけるなら、あれこれ考える前に100回弾きなさい』っていったのよ。」「でも、100回お稽古つけるより、1回の舞台っていう言葉もあるのよね」

…1回の舞台踏むために100回以上お稽古しろってことですかね…?
がむばりまーす。



第3回忠美恵会

第3回目の忠美恵会が、27日(土)、S市片平市民センターで開催されました。
(ちなみに、虫六ははじめての忠美恵会です!)
お天気もよく、いい長唄日和になりました。

練習もままならない状況で迎えた当日ではありましたが、お友だちもいろいろ来てくださり、虫六も無事に(でもないか…?)S市デビューしたのでした。
とにもかくにも、足を運んでくださったみなさまありがとうございました。

おわたーっ!

忠美恵一門による ご祝儀曲「春興」。
(自分の本番曲「都鳥」に加えてのもう一曲は、キツかったッス。どんな曲でもするする弾ける先生の脳みそはどうなっているのでしょうか。やっぱり練習あるのみ、それしかないのか…)

東京の松の会(松永圭江先生主宰)のみなさんが華を添えてくださりました。
この皆さんとの交流がまた楽しいのですよね〜!!
お世話になりました。


2012年10月26日金曜日

ヒゲの未亡人とマックス・ツンドラ仙台公演

「ヒゲの未亡人」こと岸野雄一さんが久しぶりでS市にやってきました。「ひとりおっさんパフューム」こと謎の英国人ミュージシャン、マックス・ツンドラさんとのワールドツアーで行脚中なのでした。
つわけで23日、家人Tとライブに出かけました。


S市で「ヒゲミボ」が見れて嬉しいな〜。 と会場に入ると、いきなりこんな立ち絵紙芝居風舞台がセットされていて、目が釘付けに↓ Σ(゚□゚(゚□゚*)  

これはすごい!!
ペーパーシアターといっていましたが、まさに立ち絵と紙芝居と映画のドッキング。
芝居小屋風のデザインで、岸野さんの立ち絵風人形が中に入って動きます。
そしてさらにすごいのは、この壁紙を引くとパソコンのモニターになっていて、背景が動画映像になるのです!さらに、それをビデオカメラを通してステージのスクリーンに投影するのですが、いつの間にか背景の映像が直接の投影になり、この小さな舞台にいたはずの岸野さん人形が、実物大の岸野さん(ヒゲの未亡人)となって、パフォーマンスがはじまる…という演出。素晴らしい〜。


映画のシーンをつなぎ合わせ編集したBGVとドラマチックなゲーリー芦屋さんの生演奏、チャーミングなヒゲの未亡人の唄と踊り…クールだわ〜。

3年ほど前にメディアテークで見たときとはまた違う、地下のライブハウスならでは(?)の十八歳未満お断りの淫靡な地獄めぐりテイストになってましたが(笑)、めくるめくような混沌とした感動に包まれる体験は相変わらずでした。それにしても、岸野さんの引きだしにはどんなに沢山の映画や音楽が詰まっているんでしょうか。

【ヒゲの未亡人】
 Les vacances de la veuve moustachue
 God is a sadist/la veuve moustachue

マックス・ツンドラさんは、これぞヒューマン・テクノという感じで、デジタルで複雑な打ち込みのリズムの上に、アナログ感たっぷりの手弾きを重ねて(ピアニカも使用)、そこに本人の歌も加わるのですが、とにかくハイパーテンションでコミカルな身体の動きに圧倒されます。ツンドラさんの頭の中にある音楽に、全身全霊、まわりの楽器もすべてが同期して疾走するサイボーグのようなパフォーマンスは、凡百のミュージシャンのかっこよさを超えた唯一無二のかっこよさ。しかも、一曲一曲が唐突に終わるたびに、「ありがとござましたー」「おおきに、おおきに」とか絶妙の合いの手(本人の日本語)が入って、まさに緩急自在。

スクリティ・ポリティを思わせるポップな曲から、ダンス・プログレ(?)まで多彩な自作曲に加え、最初の方では、ステージ前方のダンススペースにお客を呼び込むのに、ポール・マッカートニーの「カミングアップ」のカヴァー、後半では映画『サウンド・オブ・ミュージック』で有名な、子どもたちがベッドに行く前に順番にお別れのあいさつをする「ソーロング、フェアウェル、アイ・ニード・トゥ・セイ・グッナイ…」という歌詞の歌(タイトル失念)のテクノ・カヴァーが印象的でした。

ちなみに共演は、アナログ・シンセサイザーとはこういう音であったか!と思い出させてくれる松前公高さんによる宇宙遊泳のようなまったりしたソロ演奏と、地元S市が誇る吹奏楽系チェンバー・ポップ(?)バンド、yumboでした。全部で4グループ、カレーライスと山菜そばと月餅とフォアグラ・ステーキをいっしょに食べるような、ほとんどありえないような強力すぎる音楽性の取り合わせで、その影響か、翌朝のお三味線の練習はかなり不調(…というか、乱調?)でした(爆)。

【おまけ】
「ヒゲミボ」 画:虫六子(お正月の新聞にいたずら書き)

2012年10月21日日曜日

忠美恵会の下ざらい

今日は夕方から下ざらい。
本番まで1週間を切りました。


今朝の一人稽古では、なんとかできそうだった(よっしゃ〜!)のに、いざ舞台にあがって先生と並んで弾いたら、やっぱりもたついた上に手を忘れました。
…大丈夫か、オレ !!!!!!!_| ̄|○!!!!!!!! 

うえ〜、時間が無いんだよ〜。練習している時間が…。(爆)
しかし、やるのみなのでした〜 ι(´Д`υ)

K家の無花果コンポートに挑戦

生食用の無花果が手に入ったので、K家のレシピを極秘伝授していただいた。
一晩かけて、究極の無花果コンポート作りに挑戦。

使用するのは「西三河いちじく部会」 が生産する無花果です。
近くのスーパー伊藤で見つけた1パック6コ入り480円の生食用のを2パック大奮発!
「美味しいよ〜」と、店長が1パック450円に負けてくれました。

料理用の量りがなかったので、目分量で量ったら、ちょっと材料に対してシロップ(水・白ワイン・砂糖など)が大過ぎました。丁度良い鍋がなくて、大きめのを使ったのが敗因?また、ワインビネガーが無かったので、レモン汁を使用。せっかくの極秘レシピなのに、大きく逸脱してるじゃないか〜!

でも、皮の赤みが溶けて綺麗な色に…。無花果のコンポートって赤ワインで煮ているんだと思っていたら、白ワインで煮るんですね。

とにかくコトコト、1時間以上。火を止めて一晩寝かせて、翌朝も1時間。


できた〜!
さっそく試食。
う〜ん、先日いただいたものよりは繊細さに欠ける気がする(シロップの材料が多かった分甘くなった)が、十分に美味しいぞ!
皮が柔らかくて、スイーツっぽい。(つまり、お総菜くさくない)

失敗は成功の母なり。次回はもっと上手にできる気がするぞ。
お菓子作りで大事なのは材料を正確に量ることだそうです。
まずは料理用の量りを買わねば…。

2012年10月20日土曜日

めがね2本目_パソコン・読書専用

以前に作った乱視対応の遠近両用メガネ、基本的にまっすぐみると遠くに視点が合い、近くを見るときはレンズの下の方に目を動かさなくてはならないのですが、1日の大半をパソコンのモニターを水平視線で見ているか、手元の書籍・書類を目を動かしながらみているかなので、仕事中はこのメガネはほとんど活躍の場がない上に、なんだか目が疲れる。

そんなわけで、泣く泣く近距離焦点専用の2本目を作ることにしました。

今回は予算も苦しいので、Zoffで!
(JINSとどっちにするか迷いましたが、デザインでZoffに決めました)
前回の多焦点メガネに比べてお値段1/3!!!
十分過ぎますね。高いメガネ買っておられませんぜ。

近距離限定の焦点でパソコンモニターのブルーレイをカットするレンズ仕様です。
50%カットするのはサングラスみたいだったので、37%カットのクリアタイプで勘弁しておきました。

問題は、今回のメガネは近距離単焦点だってことです。パソコンから急に視点を移すと(例えば壁のカレンダーや時計をみると)、ぼやけた世界が襲ってきます。そうなると、メガネを付けたり外したりしなければなりません。
つまり、老眼鏡の仕様としてお馴染みの、“あの”チェーンなどのメガネストラップをつけないと不便だということになりました。しかし、どうも“あの”チェーンはいただけないのですよ〜。虫六の美意識がブレーキをかけるんだな。

で、何かないかなーといろいろ探したところ、このシリコンゴムのストラップをみつけました。フレームの耳かけのところに付けるだけ。軽くなじんで、存在感がありません。

気に入ったね。

そんなわけで、目が苦しくてすすまなかった読書も少しは楽になるでしょうかね?

2012年10月19日金曜日

人形浄瑠璃文楽 平成24年10月地方公演

週末も休み無く働いていた虫六…、17日は振休をもらって久しぶりの休日でした。
この日は、年に一度「人形浄瑠璃文楽」の今年の地方公演がS市にやってくる日だったので、振休じゃなくても有休もらおうという肚でしたが、苦しい言い訳をすることもなく、休みを当てたのでした。(良いのか悪いのか)

昼からだったので、午前中は洗濯などしながらお三味線の練習…そろそろ出かけようかなと思っていたら、なんと染五郎丈の記者会見がテレビの生放送(「ひるおび」です)で流れてきました。

お顔を拝見する限り、傷や歪みも感じられず、ちょっと安心。でも、元の通りに身体が利くようになるには、苦しいリハビリが待っているんでしょうね。自分の人生をこの事故の「前の自分」と「後の自分」に分けて考えて行かなければならない…というようなことを言っているのが心に残りました。

しかし、このテレビもそこそこに出かけねば…。文楽が待っている〜。

会場に入ったら、若い技芸員の皆さんが、東日本大震災の復興支援の募金を集めていました。文楽だって、ハシゲ大阪市長にいじめられて大変なのに、なんということだ!おもわず少しばかり募金したのですが、どっちかいうと文楽協会にもらっていただきたいぞ。



人形浄瑠璃文楽 平成24年10月地方公演 

日時 10月17日(水)
会場 仙台市・電力ホール

【昼の部】
『桂川連理柵』(かつらがわれんりのしがらみ)
◆六角堂の段
◆帯屋の段
◆道行朧の桂川

【夜の部】
『二人禿』(ににんかむろ)
『義経千本桜』(よしつねせんぼんざくら)
◆すしやの段

『桂川〜』は、春に大阪でみたので今年2回目。38歳の中年男性と14歳の少女が心中するという穏やかでない物語なんですが、個性豊かな登場人物とちゃり場の落語のような台詞回しが愉快な作品。歌舞伎では上演されないようなので、浄瑠璃や人形遣いだからこその面白さなんでしょうね。

嶋太夫さんのちゃり場はあいかわらず絶妙で会場がだいぶ沸いていましたが、腰を浮かせながらの大奮闘(?)大阪の時よりも肩に力が入っていたような、もしかして体調がいまいちだったのかな。でも、お上手でした。

道行の方は、全体にあんまり印象に残らず。(っていうか、疲れていて集中力が途切れる…グー・スカ・ピーには至りませんでしたが、怪しかったッス。)
お半(勘十郎さん)がかわいかった。双眼鏡忘れて大後悔。

人形といえば、三谷文楽でも活躍していた一輔さんが丁稚・長吉を遣っていて、これが滑稽で面白かったのですが、なんだか余裕が感じられて頼もしいと思いました。(三谷文楽・フラッシュバック!)
それから、丁稚・長吉を弟儀兵衛(玉志)がいじるところで、他の人形たちは後ろで芝居をしないでじっとしているはずのようなんですが、儀兵衛が変なことしたり、お腹にこむら返りが起きたりすると、母親のおとせ(勘市)だけ(ちょっと、ちょっと…みたいな)心配そうなリアクションをみせるところが面白かった。

夜の部は、昼の部に比べて伝統芸能のスタンダードって感じの演目です。夜の部の方は当日券もあったみたいなんですが、文楽全体の客層を考えると、昼の部はお年寄り中心、夜の部は比較的若い人も見る…という印象なので、むしろ『桂川〜』のようなユニークな作品を夜の部にして、『義経千本桜』なんかは昼の部にしたらいかがでしょう?などと思いました。

楽しみにしていた清介さんの三味線は「すしやの段」の前!小柄な印象なのに、すごい迫力で圧倒されました。こんなに上手いのにけっして三味線だけが前に出ることない、しかし、ぐいぐい物語を引っ張ってくれます。語りは英太夫。真剣勝負なんでしょうね。

勘十郎さんは「いがみの権太」を遣っていました。昼の部の可憐なお半から、今度は荒くれた大男。アクロバチックな遣いをみると、勘十郎さんだーと条件反射してしまいます。
こういう演技の方がバタついた部分が印象に残るから難しそうだと思います。

『二人禿』は仕舞と唄・演奏の作品ですが、長唄を聞き慣れた耳には、義太夫さんの合唱は、がさつに聞こえてしまいます。江戸で唄ものが生まれ長唄が好まれた感じが分かる気がする。同じ語り物でも清元や常磐津のはずいぶん違いますもんね。そういうところ面白いですね。

今度のツアーは、国宝級の重鎮の方々が参加していませんが、若手が活き活きとがんばっているそのエネルギーが伝わってきました。何回か見る機会も重なって、目に覚えのある技芸員も増えてきたこともありますが、文楽ってずいぶん若い人ががんばっているんだということが感じられ、その成長を楽しみながら応援していきたいなと思いました。

それにしても、まだまだ見る眼・聞く目を養わねば…ということの方が実感としては大きいですけどね。

2012年10月8日月曜日

お浚い会近し!_「忠美恵会」のお知らせ

秋にやってくると頭では分かっていた、年に一度の我が松永忠美恵一門のお浚い会が目の前に迫ってきました。

例年は東京で開催でしたので、知り合いが聞きに来てくれるということもなく、プレッシャーもそれなりでしたが(←その割に緊張してしくじっていましたが)、今年はなんとS市で開催であります。虫六S市デビュー戦です。

緊張するわ〜 (;´▽`A`` 

そんなわけで、お近くの方、もしお時間あれば入場無料ですので聞きに来てください。
(途中抜けも可能です)

○「第3回 忠美恵会」
日時:10月27日(土) 午後1:00~5:00
会場:片平市民センター・和室
入場無料



つ、わけで、今日も週に一度のお稽古日。特訓稽古でした。
虫六のエントリー曲は、もう半年もお稽古していただいている「都鳥」。
まずは暗譜しなければならないのですが、それも夏休み中に頭に入れる予定だったのに…。いまだ完璧に入っていませんで焦るのですが、このところ、仕事が忙しく残業&休みの日まで駆りだされて本当に時間がなくて、十分に自主練習ができないのです。朝早起きして20分ほど時間を作っているんですが、とても足りない。
かつ、「この曲は、もっと色っぽい曲なのよ!」と。うへぇ、苦手分野なんですよ〜。

あう、佐太郎師匠の話題のあとに、こんな自分は情けなさ過ぎるでしょう。とほほ。


2012年10月6日土曜日

幻の少女をみた_プレミアムアーカイブス「鼓の家」再放送

三響会のブログを見ていたら、「亀井・田中家を追ったドキュメンタリー『鼓の家』が再放送されます。」というインフォメーションがあって、気づいたらすでに再放送の開始から10分経過していました。…焦ってテレビをつけたら目に飛び込んできたのは、この少女でした。

NHK「鼓の家」より。勝手に引用ごめんなさい。
か、かっこいい…(*´Д`*) 
この凜とした佇まい、衝撃の一目惚れであります。
この方は、亀井広忠(能楽囃子・野流大鼓方)、田中傳左衛門(歌舞伎囃子方・田中流家元)、田中傳次郎(歌舞伎囃子方)三兄弟のお母様で、歌舞伎長唄囃子方田中流の田中佐太郎師匠こと亀井令子さんの若き日の姿でありました。
左太郎師匠のご主人は、これまた、葛野流大鼓方能楽師の亀井忠雄さん(人間国宝)です。
知っている人には常識でしょうが、亀井家は、家族全員が能楽囃子、もしくは、歌舞伎囃子の楽師一家なのでありました。

今回、NHKのプレミアムアーカイブスとして放送された「鼓の家」は、平成16年に放送された番組ですが、構成中にNHKのドキュメンタリー「ある人生 親子鼓」(昭和42年)が挿入されていて、写真の映像は、令子さんのお父上である十一代目田中傳左衛門師匠との凄まじいお稽古の様子を撮したシーンでした。田中家は300年の歴史をもつ歌舞伎囃子方の家筋ですが、十一代目の長男は学者の道を選んでしまい三女の令子さんに白羽の矢をあてて芸を受け継いだのだそうです。芸の上では女性であることを捨てて、火の玉になって掛かってこいと叱咤される、厳しく壮絶なお稽古。そこまでして身につけた芸ですが、女性は歌舞伎の舞台には上がれないわけです。(実は、佐太郎師匠は女性で唯一人歌舞伎の舞台にあがることをゆるされた囃子方なのですが、主に黒御簾の陰囃子を担当して、出囃子は打たなかったそうです)。自分が父から受け継いだ芸を田中流宗家の総帥として、息子や弟子に伝え、後身を育てることに責任があると、それが令子さんの芸に向き合う姿でした。

それにしても、亀井家の有り様はとにかく興味深いものでした。

田中家の跡取りでありながら、亀井忠雄青年と恋に落ちた令子さんは田中家から嫁ぐことを赦してもらうのですが、父・十一代目傳左衛門は「令子を嫁がせます。田中家もよろしく」と亀井家に答えたそうです。ご夫妻には運良く三人の息子が授かりますが、長男は能楽囃子の野流大鼓方として、次男は歌舞伎囃子方・田中流の家元として、三男も歌舞伎囃子方として、運命をもって厳しく仕込まれて行くのです。なにしろ、この世界は12歳までに芸事のみならず作法や心構えまで徹底的に仕込まなければならないらしい…。

兄弟は、母親の教育を「いわゆる『殴り稽古』ってやつですよ」と、幼き日の厳しい日々を回想…「鬼の佐太郎、閻魔の忠雄っていうんですよ。父親が二人いると思ってました」と。(このあたり、傳左衛門さんと傳次郎さんのキャラの違いが見えて面白かったです)
この番組の放送時間内の何割が稽古の様子か?というくらい、この家の人たちはずっと稽古をしています。その稽古する家族の舞台と生活を支えるために、令子さんはとびきり効率よく時間をつかって、掃除・洗濯・犬の散歩・食事の支度をし、自分も稽古をし、弟子にも厳しい稽古をつける。

凜とした少女の目のまま、いまもあの佇まいをもって年月を重ねているのですよ。
(二度惚れ…((w´ω`w)))

さらに感動したのは、長男の亀井広忠さんが父・忠雄さんに「安宅」の「延年の舞」の稽古をつけてもらうシーン。まさに命のやりとり!緊張に満ち、魂のぶつかり合う渾身の稽古。本番の気迫もものすごい…能楽、すごい!と今さらながら目から鱗でした(真夜中なのに興奮して眠れなくなりました)。
そして、忠雄さんが「もう伝えることは伝えたから、この先は自分だから」と!そういう芸能者としての潔さもさることながら、やっぱり昇り詰める芸能者って孤独なんだな…と。

そんなわけで、頭の10分を見られなかったのは悔しいけれど、とにかく見逃さなくて良かった!!!!!…っていうか、もう録画再生で3回もみてしまいました。永久保存版ですかね。10分切れてますが…(涙)


しかし、この日は…。



2012年10月3日水曜日

激うま!無花果のコンポート

へんな話ですが、夏が終わると何故か今年が終わったような気になる虫六は、漠然と「あー、今年は柿を食べなかった!」とか「まだ、無花果(いちじく)食べてない!」とか、食い意地前線が張りだしてきて、妙な錯覚を覚えるのです。
で、(はっ、まだ秋ははじまったばかりだった、出回るのはこれからだ〜、ほっ)と、現実を読み取り直すということを、毎年毎年繰り返すのですが…、これって病気ですかね?

で、で、職場のK先生は、毎年この季節に生食用の上等の無花果が手に入ると、お手製の「K家の無花果コンポート」を作られるのですが、今日はそのお裾分けをいただきました。

うれし〜!!!!
これ、冗談抜きに美味しいのです。
こだわりの材料で、ほんとうに丁寧にコトコト煮るんだそうです。甘さ、柔らかさ、香り…完璧です。それをK家ではハーゲンダッツのバニラアイスを添えて食べるのです。

定石通り、我が家でも同社のバニラアイスを買ってきまして、さっそく食後いただきました。うまし!

秋大好き。


2012年10月1日月曜日

9月に読んだ本

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1961ページ
ナイス数:37ナイス

大奥 7 (ジェッツコミックス)大奥 7 (ジェッツコミックス)感想
8巻が出たので再読。あぁ、この姫で終わっていたんだった。
読了日:9月30日 著者:よしなが ふみ




ちはやふる(18) (BE LOVE KC)ちはやふる(18) (BE LOVE KC)感想
先生方ばかりの表紙ですが、その意味がある1巻でした。それぞれの先生の存在感がよいです。「たくさんの先人の言葉が、受け取ってきた宝物があるので、それをきみらにパスするために、受け売りをするために教師になったんですよ」…古典のおじいちゃん先生、じんわり来ました。
読了日:9月29日 著者:末次 由紀

男性論―共同研究男性論―共同研究感想
鵜飼正樹「鉄道マニアの考現学ー『男らしさ』から離脱した男たちの逆説ー」所収。仕事がらみでこの論文だけ読みました。試論の試論という感じで突っ込みどころもありますが、1999年の論文なので微妙かな。ある日の撮り鉄の観察と分析、江頭剛の著書からの引用が内容を大きく占める。外見的な「男らしさ」から離脱しているとは言うけれど、現在70代以上の鉄道マニア第一世代にはそんな感じはないんですけどね…。
読了日:9月27日 著者:トム・ギル,西川 祐子,荻野 美穂

祝! 四代目市川猿之助襲名記念 僕は、亀治郎でした。祝! 四代目市川猿之助襲名記念 僕は、亀治郎でした。感想
たくさんの襲名記念のドキュメンタリーや報道もみたので内容は既視感ありますが、改めて4代目猿之助襲名を反芻しつつ記録保存版として残せる1冊と言えましょう。がんばれ!亀治郎!もとい、猿之助!!!…それにつけても大けがで休演中の染五郎が心配。染五郎の立ち役で、猿之助にはまだまだ女形もやって欲しいです。
読了日:9月23日 著者:四代目 市川 猿之助

本條秀太郎 三味線語り本條秀太郎 三味線語り感想
とても密度のある内容です。素人の自分がいうのもおこがましいですが、三味線弾きはもちろんのこと、伝統音楽に関わる全ての方にお勧めしたい1冊。現代の三味線演奏家として様々な分野で活躍している著者ですが、ものすごい深い見識と解釈のもとに演奏活動をしているんだということが分かりました。織田紘二、田中優子、細川周平、川瀬敏郎、養老孟司、池辺晋一郎各氏との対談も読み応え有り。知らないことや膝を打つようなことが沢山ありました。座右の書、決定です。嬉しいCD付きですが、演奏会でぜひ生演奏をお聴きしたいと思いました。
読了日:9月23日 著者:本條 秀太郎

時速33キロから始まる日本鉄道史 (朝日文庫)時速33キロから始まる日本鉄道史 (朝日文庫)感想
特に鉄ファンでなくても十分に面白く読める鉄道史。日本の鉄道が今の快適性や正確・安全性を獲得するまでの地道な努力や紆余曲折がよく理解できる。苛烈化する世界のスピード競争の中で、戦後1955年にフランスのELが時速331キロをマークして世界を驚愕させるが、その走行試験ではパンタグラフは焼けて溶け落ち、走り去った後の線路はぐにゃぐにゃに曲がってしまった…そんな大惨事寸前の暴挙もあったというエピソードが強烈。日本の技術者は冷静に、でもプレッシャーも与えられながら、こういう諸国を相手に技術開発しているんですね。
読了日:9月16日 著者:小島英俊

ふたがしら 2 (IKKI COMIX)ふたがしら 2 (IKKI COMIX)感想
筆がのっていますオノ先生。夜坂の頭は全体のイメージとちょっと違っていて、少し冒険が入っているのかな(どうでもいいけど)。五葉の時も感じましたが、盗みのダイナミックなストーリー展開の面白さで読ませると言うよりも、宗次と弁蔵という碁石でいう白・黒の対照的なふたりの人物像や心の通い合いなんかがテーマなのかな、という気がしてきました。
読了日:9月11日 著者:オノ ナツメ

大阪今昔散歩 (中経の文庫)大阪今昔散歩 (中経の文庫)感想
大阪に行くことになったので、予習用に購入。昔の地図・写真(絵はがき)と現在のものを比較して見せていて面白い。文庫サイズなので携帯にも便利。持参して「ぶらタモリ」をやらかそうかと思う。
読了日:9月6日 著者:原島 広至


原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書感想
あの事故の後、東電も政府もマスコミも信用できない中で、nikkei BT net の著者のコラムを夢中で読んだ。氏はボランティアで一市民の立場から独自調査をもとに事故の根本原因と原発再稼働のための条件を分析・検証した報告書を細野大臣に提出している。それを一般向けに再構成したのが本著。電源1つと冷却源さえあれば福島原発はメルトダウンしなかったという。そして再発防止策は講じることができると。民主党は「脱原発」に梶を切ったけれど、それを条件にぼちぼち再稼働するつもり?で、政権交代…?やっぱり釈然としないな。
読了日:9月5日 著者:大前 研一

読書メーター