木挽町の小屋は、本日2月公演千穐楽でございました。
いや、ほんと予定外ですよ。何をやっているかもノーチェックだったげな。
昼の部は、「心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)」という南北もの。歌舞伎座初上演だそうです。
まだ開幕前で、幕見の人たちがぞろぞろ入場していたので、「うおっ、千穐楽だけど潜り込めるかな?」と最後尾に並んだら、劇場の人が「何幕からみますか?」って注文を取りにやってきた。通し狂言か…と、とっさの判断で「通しで」と答えると、「序幕は立ち見になるけどいいですか?」と聞かれて、了解したら入れてくれました。そうか、東京に住まう人たちはこんな技を使っておるのねー。
新しい歌舞伎座は幕見までエレベーターで上がるのです。
あの狭い螺旋階段が懐かしいけど、このほうがお年寄りには優しいですね。
これ幕見の立ち見席からみた舞台と劇場全景。
けっこうちゃんと見えます。花道も七三が見えてます!小屋全体の雰囲気も味わえて悪くないですね。
歌舞伎茶屋には入って行けませんが、したがって生写真もかえませんが、筋書きは買えます。
○歌舞伎座新開場柿葺落二月花形歌舞伎
平成26年2月1日(土)~25日(火)
【昼の部】
「通し狂言 心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)」
序 幕 深川八幡の場
二軒茶屋松本の場
雪の笹藪の場
二幕目 本町糸屋横手の場
同 奥座敷の場
元の糸屋横手の場
三幕目 大通寺墓所の場
四幕目 深川相川町安野屋の場
同 洲崎弁天橋袂の場
大 詰 小石川本庄綱五郎浪宅の場
同 伝通院門前の場
お祭左七/半時九郎兵衛 染五郎
本庄綱五郎 松 緑
芸者小糸 菊之助
糸屋の娘お房/九郎兵衛女房お時 七之助
神原屋左五郎 松 江
山住五平太 松 也
赤城左京之助 歌 昇
廻し男儀助 萬太郎
芸者小せん 米 吉
芸者お琴 廣 松
丁稚與茂吉 玉太郎
番頭佐五兵衛 松之助
中老竹浦 宗之助
石塚彌三兵衛 錦 吾
鳶頭風神喜左衛門 女蔵
松本女房お蔦 高麗蔵
安野屋十兵衛 歌 六
女房おらい 秀太郎
ちょっと登場人物が多くて、煩雑な印象の狂言でしたけど、若手のみなさん頑張っていました。特に、染五郎のリーダーシップはなかなか心強いものがありますね。
基本的に応援モードっす。染五郎は江戸っ子の色気があってよろし。
なんとなく役の美味しいところは松禄君に持って行かれた感があったりしますが。
そして、今回もやぱりオーラがあるのは七之助なり。花道の見えないところから気配がわかりました。そして、セリフに張りがあって聞きやすいのだ。女形は立ち居振る舞いは美しいけど、全般にセリフは声が細くて聞きにくいってことがあるのですが、七之助は口跡が良いのですね。悪婆お時と糸や娘のお房の演じ分がスッキリしていて好感です。
なんですかね、こうなるとやっぱり、染五郎・七之助の「桜姫東文章」が観たいという気になりますね(←しつこい)
まえの歌舞伎座と違和感のない音響を実現したという仕掛けは、この天井の形状にあるらしい。間近です。でも、ババンバンバンというツケの音はほんのり反響していて迫力がありました。1階で観ていた時には感じない音響でした。
幕見席は、三階席のその上に2列分ありました。
序幕が終わったら帰った人がいたので、ソッコーで席ゲット。
手すり壁を隔てて、三階席。そちら側にはいけません。
さすがに最後部なので、見下ろすような傾斜角。
今日ばかりは大向こうさんの掛け声が下から聞こえます。千穐楽だったので、派手に掛かっていたかな。
虫六が座った東よりの席から、東の2階3階桟敷をみます。
はい、こちらは西方です。
昼の部終了。帰りは階段を使ってみました。
なんつか、幕見席を味シメジ。この、ぷらっと行って空いてたら観るか〜的な気楽さが良い感じですね。
なかなか、S市から出かけるとそういう構えになりませんが…。