2010年2月28日日曜日

仙台邦楽名曲演奏会

今日は虫六子が練習試合ということで、久しぶりの休みだった(寝坊しようと思っていた)のですが、朝起きして弁当を作り、早朝7時に中学生3人をのせて某中学校までアッシー君をしたのですが、例の津波騒ぎで虫六子は試合中止で帰って来てしまいました。
地震の被害は甚大なようですが、私のささやかな休日にまで痛い余波が…。

それで、今日はお昼から「仙台邦楽名曲演奏会」に行ってきました。


プログラム
 長唄 雛鶴三番叟
    大 薩 摩
 長唄 綱   館
    黒 美 寿
 長唄 時雨西行
 尺八 静寂 V
 地唄 ゆ  き
 長唄 勧 進 帳

ちょっと会場に着くのが遅れて、1曲目聞き逃してしまいました(;´▽`A``
地元の方々の演奏だったみたいですが…。
でも遅れていったにもかかわらず、会場内座席にかなり余裕があり、自由席の前の方に悠々と座れてしまいました。ラッキー!…というより、まずくないですか?もっと人を入れようよ!市の文化事業団も共催しているわけだし、学生券(中高1000円)も出しているのに、若い人なんかほとんどいないみたいですよ。学生券の範囲を大学生までにして、中・高・大学の邦楽部なんかに動員をかけても、若い人に聞いてもらう機会を与えるべきだと思います。
せっかく国宝級の演奏家がきているのに、誰に聞かせたいんでしょ?知り合いの演奏が終わると帰ってしまうおばちゃん達を尻目に、深く考え込んでしまう虫六でした。

演奏は、芳村伊十七(三味線)と今藤尚之(唄)、望月左武郎(囃子方)他の長唄に、尺八の山本邦山(人間国宝)、地唄の富山清琴(人間国宝)をゲストに、地元から長唄双葉會、仙台望月会が出演しています。

会場のせいでしょうか、長唄の方は全体に音が平坦な印象だったのですが、さすがに「勧進帳」は名曲で聴き応えがありました。いままであまり関心を持っていなかったのですが、尺八と地唄の「ゆき」がとても心地よくて、美しい音色というのはこういうのを言うのだなと思いました。

この演奏会は今年で10回目だそうで、2年前にも開催されて聴きに行ったのですが、その時は杵勝会の家元はじめ錚々たるメンバーが来ることになっていたのですが、天候不良(たしか大雪?)で交通機関がストップしてしまい、演奏者が新幹線に缶詰のまま到着せず、待ちに待って(4時間くらい)夕方6時過ぎくらいにやっと演奏者が揃って、驚愕の素晴らしい「連獅子」を1曲だけ演奏して帰ったという記憶があります。あれは凄かったですね… (* ̄ー ̄*)いま思い出しても…。

歌舞伎座最終公演の第一部、中村屋の「連獅子」なんですよね〜(*´Д`*)、どなたが演奏なさるんでしょうねぇ?9割方あきらめているものの黒い欲望が渦巻きます。

それにしても、今日は津波…。この演奏会の日はどうも地球に作用しているようです。


 

2010年2月27日土曜日

携帯機種交換

バッテリの接触不良などを起こし、二度の仮死状態を越えて、なんとか生きながらえていた虫六の携帯でしたが、いつも付けていたお三味線ストラップがちぎれてしまったのをタイミングだと思い、大事に至る前に新しいのに交換しました。


今までは赤い京セラのW42Kでしたが、今回は初めてsony製に挑戦。っていうか、auの新機種はカメラとかワンセグモニターに重点が置かれて、大ぶりで存在感のあるデザインばかりで変えようと思ってからずっと決め手がなくて気が進まなかったのですが…。
これは小ぶりで余計な機能がないけどシニア携帯でもないという、どっちかいうと引き算の選択肢で決めました。

でも、海外通話仕様らしいです。
これまたほとんど使いそうにない機能なんですが… (;´д`)

実はストラップ(というか根付け)だけはボロクなったので変えようと、前のと同じ(赤ミミズクと三味線)のを買い置きしてあったので、さっそく新しく…。ぴかぴかじゃ〜ん。着メロも前機種で使っていたのをダウンロードして、ほぼ元通りにセットアップ。
携帯に関しては超保守的な虫六でした。

2010年2月25日木曜日

おみやげ2品

仕事でお世話になっているOちゃんから、秋田のお土産で「納豆ドレッシング」をいただいた。
最近、秋田でちょっと話題らしい。

先日、ガスパ家で食べた「白菜とリンゴのサラダ」をありもので作ったので、さっそく食べてみたら、これがイケました。ちょっと納豆の風味がして、塩味がきいたおいしいサラダになりました。
明日もサラダを食べよう。

それでもって、今日は仕事帰りにお稽古。

帰りに師匠からお土産に「肘折温泉かりんとう」をいただいてしまった!
これが素朴な味でまたイケル!がっつり晩ご飯を食べたのに、家人Tが職場でもらってきたというコーヒーを入れたので、調子に乗って食べてしまった。
今日は少々お腹が苦しいです。

●おまけ
虫六子画「キム・ヨナ」
でも、彼女が応援しているのは真央ちゃんです。ちなみに。

2010年2月21日日曜日

出張ウォーキング講座

お稽古日です。そして、今日は先生のお宅で特別メニューがありました。
というのは、姉弟子のCさんが以前から虫六の姿勢の悪いのをなんとか矯正したい(!)と口にされていたのですが ( ̄◆ ̄;)…、Cさんの通っているウォーキング教室の先生をお連れするので、動きやすい服装で来るようにとのご指示が。
…マジすか…( ̄▽ ̄;)

そして!いらしたのが、S千晶先生!しえぇ〜ビューティフル!!(=´Д`=) 半端ない姿勢の良さであります!
でもって、虫六この方をテレビで拝見したことあるんですけど…。デューク更家氏の愛弟子で全インストラクターの中で唯一の免許皆伝師だそうです。立ち姿だけで、オーラがあります。
…っていうか、なんでこの方が、いまここに!?

してして、なぜか先生の旦那様も混じって出張ウォーキング講座がはじまってしまいました。

シュールじゃないですか?この展開…?!

美しく歩くコツは、歩くことを移動の手段ではなく、運動の手段と思うことだそうです。そして、足の裏の筋肉を使って、骨盤を立てて、正しい姿勢で、腕は後ろに振る…という鉄則をご伝授いただきました。目から鱗です〜。
ちなみに虫六の歩き方は「省エネの歩き方」とのご指摘が ∑(゚∇゚|||) なるほど〜。

運動のあとは、先生のお嬢さんのMちゃんお手製の激旨ランチをいただきました。
焼きたてのフォカッチャとパスタ2種と鳥と野菜の煮込み料理…、昨日にひきつづき、くちばしの長い虫六です。虫六は車だったので頂きませんでしたが、昼からワイン…、なんと優雅な空間でしょう。

お食事しながらお話しを伺うと、なんとS先生は虫六と同じ歳とか… ( ̄◆ ̄;) しかもBFはひとまわり年下とか。美しい方は際限なく美しいのですね〜。猫背のおばちゃんではいかんですかね、やっぱり。

お稽古が終わってうちに電話をすると、家人Tは貸倉庫におりました。先日、棚を買って倉庫に突っ込んでおいたので、今朝トンカチを渡して組み立てを頼んで出かけたら、実行に及んだというので、帰り足にゴミを受け取りに寄りました。

おう!倉庫みたいだ。家人Tもやろうと思えばやれる人でした(o ̄∇ ̄)/
少し隙間も出来たので、荷物ももう少し運び込めそうです。

2010年2月20日土曜日

ガスパール君お誕生会

ガスパールの誕生会ということで、ガスパ家にお呼ばれしました。

ガスパール君、5才になります。かわゆいのう(虫六子撮影)

ガスパール君とガスパパ&ガスパママ。
頭の冠が見えますかね。ガスパールのすぐ前には特製ケーキも…。
今日のお料理は、ワインにあうヤツということで、「鳥の手羽元と40片のニンニク煮」、「牛すじのワイン煮こみ」の贅沢お肉料理2種に、サラダ3種でした。新鮮白菜のサラダがとても甘くて美味しかったッス。

牛肉…前の晩から煮込んで柔らか〜。旨すぎです。鶏肉も煮込んでペースト状になったニンニクをつけながら食べるのです。美味しくてワインがすすみます。

ちょうどガスパママも2月の歌舞伎座に行ってきたということで、ふたりで静かに(?)盛り上がりました。ほほほ。
また、「読書メーター」ネタで盛り上がったついでに、帰りには松井今朝子の本もいっぱい借してもらってラッキー。確定申告が終わったら(←事務作業自体は大したこたないんですが、単に精神的にプレッシャー)、読書三昧するぞ〜。しかし、その前に仕事の大ヤマがあるんだった(爆)

2010年2月19日金曜日

伝統芸を支える魂

猿舞座の村崎さんからご案内をいただきました。

『伝統芸を支える魂』

日時:2月26日(金)午後6:30開演
定員:1,000名(申し込み先着順・無料)
出演:村崎修二(猿舞座・座長)
   村崎耕平(猿舞座・若頭)&夏水
   高石ともや(フォークシンガー)
   今福 優(石見の風)
 _ゲスト_
   伊勢万才 村田社中
   浅草雑芸団 上島敏昭
   春駒 太鼓グループ「蛍」

申込方法:来館、または往復ハガキ・FAXで。(電話不可)
申込先:大阪市立浪速人権文化センター
   〒556-0026 大阪市浪速区浪速東1-9-20
   FAX (06)6568-4989
締切:2010年2月16(火)必着(←って、終わってるじゃないですかヾ(;´Д`A )
問合せ先:浪速人権文化センター(06)6568-0791

企画実施 (社)大阪市人権協会・浪速人権文化センター

会場がどこか分からないチラシですが、地図からすると「大阪市立浪速人権文化センター」のどこかでしょうね。
もう締め切りが過ぎていますが、どうしても…という方は問い合わせしてみてください。

修二さんからは、今年の夏も6月頃にS市に行きたいとのお便りもいただきました。耕平君も体調をこわしたりということもあったみたいなんですが、去年から今年にかけてこのような異ジャンルの方々との競演の舞台も経験して、またひと回り成長した姿を見せてくれると思うと楽しみです。
少し遠いので、虫六は今回いけませんが、お近くの方はぜひー。

2010年2月18日木曜日

黒い虫六

ぐへへへ。
見終わって帰ってきたばかりですが…悪魔に魂を売りわたしてます…(o ̄∇ ̄)

2010年2月16日火曜日

桜爛漫歌舞伎三昧_歌舞伎座さよなら2月公演(2)

そういうわけで観劇双六を1日戻って、歌舞伎三昧の夜の部は、1階の花道寄りのお席でした。
3階とはまた違う臨場感。このくらい近いと花道を通る役者さんのオーラが眩しいのですよ〜ヾ(´ε`*)ゝそして、なぜか高そうな香水の臭いがむんむんしてくるのでした。気合いが入るんですね、一等席ともなりますと…。

西の桟敷席には舞妓さんが3人。京都から来たんでしょうか、華やかな雰囲気です。

【夜の部】の演目は、
1)壺坂霊験記(三津五郎、福助、ほか)
2)高坏(勘三郎、弥十郎、亀蔵、橋之助)
3)籠釣瓶花街酔醒<かごつるべさとのえいざめ>(勘三郎、玉三郎、仁左衛門、弥十郎ほか)
であります。

今回の追悼公演の演目は、十五代目襲名公演の時のとちょっとかさなっているかなと、正直はじめはそそられていなかったのですが、ふと、あのときの玉三郎の花魁道中を思い出し、「あぁ、あの花道の見返りのほほえみは、もうこの劇場では見られなくなるんだ!」と気がついたら、矢も盾も堪らなくなり、チケット頼んでいました。

歌舞伎に関しては、普段はけっこう集中力維持できるんですが、昨日までの疲労が堪っていたのがここにきて作用してきて、すいません『壺坂〜』の第二場の途中で一瞬気を失ってしまいましたヾ(*゚A`)ノ、(罰当たりがぁ〜あ!!)それで、沢市が崖から落ちたあたりでスッキリ目が覚めて、そこからは絶好調。

心待ちにしていた『高坏』も爽快な気分で楽しめました。勘三郎丈の「下駄タップ」の軽快な足捌きと愛嬌たっぷりの踊りで、寄席でもないのにげらげら笑っていたら、隣に座っていた妙齢の女性も一緒に笑い出して、幕が下りたら「お好きなんですか?」と声をかけられました。S市から来たと話したら、とても仰天して「歌舞伎好きの方はえらいですね〜」と感心(呆れか?)されました。(いえ、今月はS市あたりから見に来るのは珍しくないんですよ、きっと)

『高坏』は、狂言舞踊形式の創作舞踊で、長唄囃子連中の演奏がつきます。これも立三味線が杵屋勝国さん、立唄が杵屋直吉さんのゴールデンコンビで、以下以下ずらりと5丁5枚(だったと思う)とお囃子の大編成。筋書には、勝四郎さん(唄)や裕光さん(三味線_先日テレビで三味線でビートルズを弾いてました)もお名前があり、期待に胸膨らんでいたんですが、この日はご出演がなくて誠に残念でした。もちろん、勝十郎さんは四枚目くらいに控えてがんばっていました!

もちろん舞踊の演目ですから、自分も含めみんな役者の踊りに注目するわけですが、ここに邦楽界・超トップクラスの演奏家が伴奏しているという事にも注目しておきたいですね。あの踊りにあわせるためには半端な演奏家では堪えられないということなのでしょう。一月つづく歌舞伎の演奏はけっこう過酷で、名人クラスになるとお芝居にはつきあわなくなるという話も聞かれたりして、そうなると歌舞伎以外に邦楽に触れるチャンスはなかなか無い我らは辛いのですが、勝国さんと直吉さんは今月昼夜通しでご出演!感服です!凄いです!もったいないくらいです。

そして、『籠釣瓶〜』。この作品は、桜満開の吉原で華やかな花魁道中が次々に通り過ぎていくなか、吉原見物にきた佐野の商人・次郎左衛門が、偶然、兵庫屋の美貌の傾城・八ッ橋(玉三郎)のひときわ絢爛豪華な道中に出会って、傾城の見返り(吉原には呼んでくれたお客が気に入ったら、帰りの道中の途中で振り返って笑ってみせるという風習があったらしい)の流れ弾(流し目)に当たって魂を抜かれてしまう「見染」の場面や、色男の間夫・繁山栄之丞(仁左衛門)に真心を疑われ、心ならずも次郎左衛門に愛想づかしをしてしまう「縁切りの場」や、恥をかかせた八ッ橋に恨み抱いた次郎左衛門が妖刀・籠釣瓶で八ッ橋を惨殺する場など、絵を見るような名場面が盛りだくさんの作品で、虫六も心のシャッター押しまくりでした。

白髪頭のおばあちゃんも、片外しの奥女中も、怪しの妖怪も悪くないですが、しかし、花魁の玉三郎に勝るものなし!あの流し目の薄笑い…、ジロ左衛門じゃなくても魂抜かれます(* ̄◆ ̄*;)、勘三郎丈、いったい何分間放心してましたでしょうね(笑)
それだけに、殺しの場面は殺気がありました( ̄ロ ̄lll)

幕間に例の写真コーナーにいってみたら、『俊寛』の衣装が戻っていました。

先代がタップダンスした下駄。

八ッ橋は六代目歌右衛門丈の十八番だったんですね。玉三郎丈のあと、誰に引き継がれるのでしょうか。そんなところにも興味があります。
ちなみに、七之助丈は兵庫屋七越役で出演してまして、ひと月舞台の上で大和屋の傾城を見て勉強するんですね。『籠釣瓶〜』は中村屋にとっても大事な演目だから、勘太郎丈もいずれジロ左衛門をするでしょう…ということは…。いやはや夢想は広がりますね。

朝から晩まで、歌舞伎どっぷりの1日でした。


この日、銀子さんと思い出せなかった人の名前:大石恵(昔ニュースステーションのお天気おねいさん)

2010年2月15日月曜日

なぬ〜っ!の衝撃_国立劇場「文楽」2月公演

歌舞伎座2月公演の夜の部レポートがまだですが、一つとばして翌日の「文楽」観劇のレポートを。

歌舞伎座のチケットが無事に取れて上京の予定が立った時点で、虫六にはもう一つどおしても気になる公演がありました。それは、国立劇場でやっている「文楽公演」です。文楽の本拠地は大阪なので、国立文楽劇場が本劇場というわけですが、東京の国立劇場と隔月で公演を打っているそうです。で、2月は東京…。
スケジュールが確定した時点ですでにチケットの売り出しはとっくにはじまっていたので、果たして採れるのかなぁ〜と半信半疑で国立劇場のチケットセンターに電話をかけると、少しながらまだチケットはあるとのこと。なんとか床側の前方の席を確保しました。
旅行日程の中にスケジュールを組まなければならないもので…田舎ものは辛いなぁ。

で、いざ国立劇場へ。

2月の演目は、
 【第1部】
 『花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)』
   万才・海女・関寺小町・鷺娘
 『孃景清八嶋日記(むすめかげきよやしまにっき)』
   花菱屋の段
   日向嶋の段
 【第2部】
 『大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)』
   大経師内の段
   岡崎村梅龍内の段
   奥丹波隠れ家の段
 【第3部】
 『曽根崎心中(そねがさきしんじゅう)』
   生玉社前の段
   天満屋の段
   天神森の段

全部見たいところでしたが、本日中に帰らなければならないので拝見したのは第1部と第2部だけ。しかし、どれも想像以上に素晴らしいものでした。

はじめの『花競〜』は、所作ものと言われる人形に舞踊を踊らせる演目で、なんと鶴澤清治さんが率いる六丁六枚の大楽団の演奏を中心に据えた作品でした。義太夫浄瑠璃の凄まじい演奏テクニックを堪能できる非常に面白いものです。特に「関寺小町」は清治さんのほぼ独奏曲で太棹三味線の弦の深い響きや擦れる音、撥で叩きつける音、指が鳴らす音、倍音、一つの楽器でこんなにも多様な音色が出せるのか…と、目から鱗ならぬ、耳から鱗がとれました。気がつけば、床の方に釘付けになってしまい、人形の所作は全く見ないでしまいました。会場全体が「っん!」という清治さんの気合いと一丁の三味線という小さな箱の振動に共振している感じで、緊張感で胸がどくどくしました。
また、素人を自覚していたので、イヤホンガイドを借りてみたのですが、完全生音で聞きたいし、ザーザー言う音が不快だったので、結局上演がはじまったら取ってしまい、全く無駄にしてしまいました( ̄◆ ̄;)

『孃景清〜』では、豊竹咲太夫さんの語りが素晴らしく、聞き惚れてしまいました。糸滝哀れ、景清哀れ。
景清の衣装が、前日に見た『俊寛』のと同じで流人ルックなのだと理解できました。
余談ですが、お茶を運んだまま太夫の脇に控えていた咲寿太夫さんが本当に真剣に聞いていて、思わず『仏果を得ず』(三浦しをん)そのままの世界だなぁ〜と、想像を膨らませてしまいました。

そして、『大経師昔暦』。歌舞伎にも近松ものはもちろんありますが、ほとんどは文楽の人気狂言をいただいたものなわけで、それがオリジナルの人形浄瑠璃で見るとこんなに面白いのだ!ということが、衝撃的に分かりました。「おさん茂兵衛」として知られるこの作品は、天和年間に実際にあった不義密通事件を材として書かれたものだそうで、狂言では、ほんの親切心で犯した小さな罪が、微妙な心の掛け合わせが作用して大事になり、間違いで密通を犯すこととなり、止めることのできない運命の歯車に飲み込まれてしまうという救いどころのない物語なのですが、何故か新鮮でした。
内容は生々しいのですが、気品のある人形が演じることで物語が抽象的に映ってくるということもありますが、それ以上に義太夫の語りの力だと思いました。特に、おさんと茂兵衛が間違って暗がりで密通してしまう段は、竹本綱太夫さんの語りでしたが、「なぬ〜っ!」という終わり方なのです。半ば呆然としている状態で読み終わりになってしまうので、それまでいかにその語りに引き込まれていたかに気がつくという次第でした。あの時代に既にこんな演出が使われていたのだ、と改めて思い知らされました。
(かなり、もったいぶった書き方かも知れませんが、まだ千穐楽は21日ですからチャンスのある人はぜひお出かけください。観てもらうのが一番伝わります。けっこういい席が空いていたりして、誠にもったいないと思いました。)

歌舞伎座の派手な賑やかさとは対照的に、文楽を見に来たお客さん達はちょっとインテリっぽい地味な感じの方が多い気がしました。でも、例えば秋葉系の若者なども、これを見たら絶対面白いと思う!と感じた次第。一生をかけて芸道に打ち込んでいる技芸員の方々ですから、それを狂わせるようなブームもどうかと思うけど、もっと注目されてしかるべきとも思うのでした。

帰り道、銀座に逆戻りして、歌舞伎座裏の三味線やさん「朝日や」に立ち寄り、羽織の端切れで三味線袋が作れないかご相談して、全てのスケジュールを完了。お土産買って新幹線に飛び乗りました。体力的には抜け殻状態でしたが、精神的にはかなり充電できました。




2010年2月14日日曜日

桜爛漫歌舞伎三昧_歌舞伎座さよなら2月公演(1)

11月の『仮名手本忠臣蔵』以来、3ヶ月ぶりの歌舞伎観劇です。やった〜!
昨日までの激務(なんちて)に加え、電車賃を削って「お先に得だね3割引き」チケット利用のため、早朝5時半に起きて7:08の電車に乗り込みました。体力に自信なし。

とはいえ、劇場に近づくと否応なしにテンションはあがります!今回はめずらしくご同伴がいらっしゃいます。虫六子の好感度ナンバーワン!10-BOXのマドンナことiちゃんです。お仕事柄、ステージアートは見慣れている方ですが、なんと歌舞伎座は初体験とのことで、ご一緒する虫六もワクワク。松屋銀座でお弁当も買って、準備完了。最終公演まであと76日の歌舞伎座へ。

つわけで、今月は劇場全体が一望できる3階の東席。素晴らしいですね〜。

2月公演は、17代中村勘三郎23回忌追善公演で、
【昼の部】は、
 1)爪王(勘太郎、七之助、弥十郎、錦之助)
 2)俊寛(勘三郎、勘太郎、扇雀、七之助、左団次、梅玉)
 3)口上(勘三郎、芝 翫、他幹部俳優)
 4)ぢいさんばあさん(仁左衛門、玉三郎ほか)
という演目。

幅広い役を800以上もこなした先代の勘三郎丈の特に得意とした演目を集めた追善興行に相応しいプログラムのようです。「俊寛」などは当代の勘三郎丈も得意演目ですね。たっぷり見応えありました。


今回、特に素晴らしかったのは、若太夫兄弟による「爪王」で、戸川幸夫作、平岩弓枝脚色の舞踊劇ですが、30ン年振りの公演だそうです。吹雪という名の鷹(七之助)を使う鷹匠が、悪い赤狐(勘太郎)退治を頼まれて、雪山に吹雪を放ち、鷹と狐が死闘するのですが…。これがすごく面白いです。踊りの演出もいいし、この兄弟本当に踊りが上手いですよね。

妖気をまとった狐と、鷹匠の命令をひたすら遂行しようとする無垢な鷹。

七之助丈の白い雌鷹役、キョトキョトする鳥類独特の無表情な所作が、「健気」で「無垢」で「可憐」な印象を強調し、また「鷹」という特別な鳥の気高さが七之助丈のニンにピッタシ合っていました!iちゃんもすっかり心を奪われておりました。見るたびに成長を感じる七之助丈…どこまで伸びシロあるんでしょう?!
対決する勘太郎丈の狐役も、怪しさや太々しさが板についていて、良いですね良いですね。この方、実悪などもいけるんじゃないですか?!仁木弾正なんか良い感じでは…来年の浅草新春歌舞伎、「伽羅木先代萩」などいかがでしょう?

また、この演目は長唄連中の演奏がつきますが、今月は、なんと勝国さんの立三味線と直吉さんの立唄でございます。贅沢すぎ。
し、しかし、3階東から長唄連中の演奏場所が死角に入って見えず… (。>0<。) こんなところに落とし穴が…。かなり心地よい演奏が聞こえてくるにも関わらず、見えませんでした(爆)
その分、舞台上の踊りに集中出来て良かったのかも知れませんが。

というわけで、初っぱなの演目からおなかいっぱいになってしまいました。はぁはぁ。
しかしこの舞踊劇を見て、天国の先代も中村屋の将来を心強く思うことでしょう。

3階ギャラリーでは、17代勘三郎の思い出の写真点が開催されていました。が、すごい人でじっくり見ることはかないませんでした〜。ただ人の流れに身をまかせただけ。

「俊寛」の衣装は上演で使用するので、「ぢいさんばあさん」の上演終了後に展示されるそうです。写真パネルになっておりました。さっき着ていたヤツが入るんですね、ほっかほっかのが。

日曜日だったせいもあるでしょうが、とにかく大入り。普段よりもお着物姿の男性なども多く、常連の方々も気合いが入っているのでしょうか。大向こうの声も威勢良くいくつもとんでいました。会場全体に祝祭感がありました。

お土産売り場もごった返しておりましたが、生写真はしっかりゲットしてきた虫六です。

というわけで、夜の部については明後日。


2010年2月13日土曜日

鉄道模型運転会に水を獲る人たち

今日は仕事の関係で鉄道模型(HOゲージ)の運転会を見物させていただいた。
お客さんも沢山きて下さったのですが、なんと言っても一番楽しそうだったのは、模型を運転していた愛好会の皆さんです。こういう人たちを「水を得た魚」というのだと思いました。

さて、昭和40年頃のみちのくの鉄道の様子を再現すべく、精好にしてみごとに細工された優等列車がずらりと並ぶなか、ひときわ異彩をはなっていたのはこのお召し列車!

古参の鉄道マニアNさんが作ったもので、病気で失明の危機にありながら、朝の数時間しか見えないという消えゆく視覚を頼りに、なかば手探りで作った鉄道模型だそうです。まさに身を削って仕上げた作品「クロ157」…。そこまでさせる鉄道模型とは!?迫力でした。

こちらは、フェザリングがみごな気動車。まるで野良猫みたいです。

室内を暗くしたら(リハーサル時)、室内灯の明かりがとてもきれいでした。

なんと、車輪に連動して音を出す機材もあるんですね!!調子にのって何度も汽笛を鳴らしてしまいました。オモシロ〜イ。

運転会の下働きでバタバタしていたら、虫六の携帯が知らぬうちにご臨終になっていました。
ウンとも、スンともいいやしません…真っ暗。どひゃ〜ぁあああ((゜Д゜Uu))━━!!!!!!
明日、上京して2月公演なんですけど〜!
待ち合わせやら、お泊まり連絡やら、携帯ないと困るんですけど…。と、運転会もさることながら、頭が半分パニックでした。
帰宅後、別件で打ち合わせが1件あったのですが、3分で機種交換も辞さない覚悟で途中でヨドバシに曲がり道!でもバッテリパックの接触不良を直してもらい、なんとか蘇生…_ノフ○
もう古いので、変えてもいいのですが、AUの新機種に全く魅力がなく決定打がないのでした。
どっと疲れた1日でしたが、明日があるから気持ちは元気です!(てか〜)

2010年2月12日金曜日

2年ぶり、仙台邦楽名曲演奏会


「どーもどーも、1週間のご無沙汰でした」の玉置宏さんが亡くなられたそうです。仕事帰りのカーラジオ(ニッポン放送「ショーアップナイター・バッテリー」でした。虫六、実は野球には情けないほど興味がありませんが、松本秀夫アナのファンです。)で、追悼コーナーがあり、あの名調子を放送してました。もともとはラジオの人だったのですね。名人と言われる人が、この世の方でなくなるのは寂しい限りです。昭和の歌謡を捧げつつ、合掌。

ところで、S市(チラシで明らかではあーりませんか(;´▽`A`` )では珍しく邦楽の演奏会があります。2年前に、杵勝会の家元はじめオールスターのお歴々が台風で数時間も遅れながらも何とか到着し、感涙ものの「鏡獅子」を演奏してくださったあの会です!


『第10回仙台邦楽名曲演奏会』

日時:平成22年2月28日(日) 11時半開場、12時開演
会場:仙台市民会館・大ホール
チケット:指定5000円、自由3500円、学生1000円
主催:仙台邦楽名曲演奏会
共催:(財)仙台市市民文化事業団
後援:仙台市

眼目はやっぱり長唄の『勧進帳』ですかね。

昨日のお稽古で、先生が予習がてら『勧進帳』のさわりのところを教えてくださいました。
でも、「キタ、キタ、キタァアアア〜」と思っているうちに過ぎてしまうんですよね ( ̄◆ ̄;) 本番になるとね。

2010年2月11日木曜日

森の香本舗でうぐいす餅を買い損なう

閑話休題

2ヶ月ぶりで髪を切りに行きました。帰り道、虫六御用達の「森の香本舗」の脇を通りかかったので、「うぐいす餅でも買って帰ろう!」と寄り道しました。
が!うぐいす餅は既に売り切れ(;ω;) 、しかたないか…と桜餅を購入。

家に帰ってお茶にしたら、何故かコーヒーが出る我が家です。

こちらは、「窓の梅」という和菓子。求肥の中にお豆感がしっかりある白あん。上品な甘さで乙な味でした。

なぜ、閑話休題か?というと、今週末におおごとが待っているからであります(予告)


2010年2月9日火曜日

雪の山形へ

仕事の用事で山形にある東北芸術工科大学にいくことなりました。
S市から上山温泉行きの高速バスに乗ると直通でいけるのですが、時間が自由にならないので、自家用車で出かけることにしました。3日前に大雪が降っているので、内心、恐々でしたが、この2日ばかりは暖かいので車道に雪が残っていないことを祈りつつ出かけました。

山形の方は雨模様の用で、途中、蔵王の山々に大きな虹が架かっていました。写真を撮りたかったのですが、高速運転中につきシャッター切れずヽ(;´Д`ヽ)

久しぶりで、心の1句。

 白き峰 レインボーの弧 大またぎ


道は雪が無かったのですが芸工大は雪に埋もれてました。

大きな鬼瓦の野外ステージの周りも、厚い氷に覆われていました。さすがにワカサギ釣りはいませんでしたが…。

あ、芸工大はただいま卒業/終了研究・制作展覧会開催中。さすが美大の卒展は大学中を会場にしていて、学祭みたいな盛り上がりでした。興味ある方はぜひ〜。

2010年2月7日日曜日

かなりショック!デリ&カフェ・ヤマグチの閉店

朝起きたら、マンションの水道が断水していました。夕べからの冷え込みで給水系統が凍結してしまったようです。引っ越して12年だか13年になるのですが、はじめての出来事でした。マンションも凍結するんですね(爆)

で、朝ご飯も食べられないので、遅めのブランチということで出かけることにしました。今日は虫六子の部活が大雪で休みになったので、S市小松島にある我が家お気に入りのカレー屋さん「デリ&カフェ・ヤマグチ」に行きました。ところが、このカレー屋さん2月いっぱいで閉店するとのこと!!!! ∑(゚∇゚|||) 
家族全員とても気に入っていたので、かなりショックなんですけど。
なぜか店内で子育てしていて、野生児のようなちびっ子がお客のテーブルに潜ってきたりとか、おかみさんが腹に抱っこひもで赤ちゃんをくくりつけたま熱々鉄板のカレーを運んできてハラハラするとか、混んでいるときのオペレーションが心許ないとか、「微笑ましい」という程度で済まされる範囲の危なっかしさはあるものの、ホント!ここのカレーは美味しいのです(*゚▽゚)V

えぇ、やめちゃうの?引越ならいいんだけど。残念です。(´;ω;`)

「中華仙台そば」もそうでしたが、我が家の休日昼ご飯を満足させていただいていたお店が無くなるのはとても哀しい。また、探さなくてはまりません。


ちなみに、今日は「鶏肉とほうれん草のクリームカレー」を食べました。
カレーの中にチーズが溶けていて辛いけどマイルド。鉄板でちょっとカリカリ部分ができたご飯とマッチして、旨い!
虫六子は、いつものチキンカレー。焼きポテトがごろっと1個のっています。

ランチセットのデザート(今日は「紅茶のパンナコッタ・マンゴーソース」)とカプチーノも美味しいです。
そのほか、オードブルがつきます。
…って、やめるって言っているのにいまさらメニュー紹介してるの空回りしてますか?あと3週間ですが、滑り込みでぜひ食べに行ってください。
本当にやめないでほしいようぉぉぉお。

2010年2月6日土曜日

「どんとこい!〜祭」最終日、豪雪…。

「どんとこい!大衆紙芝居祭」展も、いよいよ最終日。
平日は仕事で都合が付かなかったり、遠方から足を運んでくれるメンバーがリレーで上演することになっている賑やかな1日です。

が!!

なんですか、この大雪は…(T_T)

なんでも1年に1度来るかどうかの大寒波が上空にいるらしいです。あわわ

(ΘoΘ;)

午後には雪自体はなんとか収まったのですが、路面はカチカチでスケートリンクのようです。自動車もそろそろ運転。うへぇ〜、乗りたくないよう。

・・・

そんなわけで、仕事があって今日は現場に行けなかった虫六ですが、片付けの後の反省会(お茶会)に合流。久しぶりで会うメンバーもいて、すっかり気分は同窓会。やっぱりたまに集まって何かをするって大事だなと思ったりしました。

今回は、自分たちにとってはどちらかというと仲間内の力試しやトライアウトという気分が勝っていたのですが、開催してみると、マスコミ等をはじめリアクションが大きくてビックリということもありました。(KHBではローカルニュース「スーパーJチャンネルみやぎ」の特集枠で取り上げてくれるそうです。放送日は9日の予定)報道されるほど実が伴っていないという反省点もありますが、しかし、お客さんの反応にも手応えがあって、がんばるぞ〜とモチベーションも上がったようです。

次の大きな目標は5月の上野公園。それぞれの思いを胸に怒濤の1週間が終わりました。お越し頂いたみなさん、関係者のみなさん、ありがとうございました。

(今日、和田佳が思い出せなかった人の名前)斎藤清六


2010年2月4日木曜日

慙愧丸濃縮リマスター版上演

「どんとこい!大衆紙芝居まつり」、今日は3日目で「蛇蝎姫と慙愧丸 濃縮リマスター版」の上演日です。

昨日仕込んだ120枚のピースをカート付きのスーツケースに詰めて会場入り。クマガイさんは、浅草公演以来お蔵入りしていたZビジョン(慙愧丸用紙芝居舞台)をもってやってきました。
おう、これだこれだ!Zビジョンを組み立てているウチに、二年前の記憶がよみがえってきました。(ま、昨日までの改訂台本を拝見してからに、蛇蝎ウィルスの記憶はフラッシュバックでしたが…)

われわれは15:00からなので、準備をしながら、今日のメンバーも見たりして…。

午前中は、のんきやあややちゃんやタキさんの紙芝居。うわっ、上手くなっているぞ。子供たちの、おじいちゃんも受けてにこにこだ。ちょっと間が開いた時間に、校外学習の小学生がきたので、和田佳がクイズ紙芝居をやって、場を暖めてくれました。ちょっとした小回りがきくようになって、使える芸人になているなぁ〜、この人達は…。

午前中は仕事で休みが取れなかった瀧原文法君も奥さんのカナっこさんを連れて、昼過ぎに到着!ひじょ〜に完成度の高い「はなくそハナちゃん」と「雛人間」で、すっかり会場をすくい取って持って行ってしまいました。瀧原君は、5月の台東区下町風俗資料館の紙芝居大会に向けて、「はなくそハナちゃん 第2部」を制作中らしく、その予告もしてました。楽しみすぎる〜。今日上演予定と聞いていた「ジャスの戦士・イグナル」がみれなかったのだけが残念でした〜(´д`)



先日あたりの新聞でこのイベントが紹介されたらしく、けっこうお客さんが来てくれているようで、ありがたいです。せっかく見に来ていただいているのに、肝心の慙愧丸の絵で、佐渡さんが筆をふるった何枚かの絵をお見せできないところだったのですが、●●に「黒い紙かなんかで隠したらいい」と条件を頂いたので、おっしゃる通りに黒い紙で覆い、どうしても見たい人には紙をめくって見ていただくようにしました。
ただでは起きない慙愧丸Pです( ̄ー+ ̄)

いよいよ、「蛇蝎姫と慙愧丸 濃縮リマスター版」。平日の真っ昼間というのに、予想外に人がたくさん来てくれて、有り難いばかり〜。クマガイさんも、もともと詩のボクサーだけあって、もともと朗読の才能ある方なので、上手いなぁ。すごいなぁ。40分休みなし上演なので、声が途中で潰れやしないかと心配しましたが、高校時代に応援団でならした発声法で、後半の方がむしろ声に張りがあり、感嘆しました。
物語も、短縮した分シンプルになり、筋がおいやすくなったかもしれません。
もっと、上演の機会が作っていけると嬉しいなぁと、つくづく思いました。

おつかれさまでした。

「どんとこい!大衆紙芝居まつり」は今週土曜日までやってます!

2010年2月3日水曜日

慙愧丸濃縮リマスター版の仕込み完了

明日上演予定の「蛇蝎姫と慙愧丸_濃縮リマスター版」の台本が、クマガイさんから届いたので、今夜のうちに仕込み(絵の裏に台本を貼る)をやりました。


フルバージョンは、本編3部作で浅草編でもざっと2時間でしたか…。それを今回30分に縮めるという目標で、クマガイさんが大胆不敵な大改編を行いました。

絵を抜いたり入れ替えたりで、設定などもだいぶ変えて、また別の物語を作ってしまった感じです。何しろ1時間半以上詰めなければなりません。ピースはちょうど1/3の120枚になりました。元の話を知っていると「なぬ〜っ??」というようなビックリ仰天の改編ですが、これはこれで面白いですよ。
絵を描いてくれた、故・佐渡さんもびっくりでしょう。

これをきっかけにまた慙愧丸をお見せできるきっかけになればいいのですが…。

公演は明日(4日)の午後3時から。(東北電力グリーンプラザ・アクアホール)です。
慙愧丸の他にも、瀧原文法君や、のんきやあややちゃん、タキさんの紙芝居上演もあります。
どうぞ、足をお運び下さい。


2010年2月2日火曜日

1月に読んだ本

1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1093ページ

片岡仁左衛門写真集片岡仁左衛門写真集
十五代目襲名11年目の片岡仁左衛門写真集。切り撮ったのは天才・篠山紀信。仁左衛門は篠山に「仁左衛門という役者ではなく、演じているその人物を撮る」ように依頼したそうだ。まさに円熟期を迎えた役者の「性根」が伝わってきて息を吞む。見た舞台はあの濃密な時間が思い出され、見てないものもリアルにイメージできる。分冊の「芸談」は関容子の秀逸な聞き書き集。役者の思いを丁寧に引き出していて興味深い。お役ひとつひとつ、仕草の隅々にまで細心が行き、深い解釈があるのですね。この役者の舞台は見逃したくないという思いに駆られます!
読了日:01月25日 著者:片岡 仁左衛門

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
いきなりタイムスリップして平たい顔族(日本です)の高度なお風呂文明にカルチャーショックをうける古代ローマの建築技師・ルシウス。そこで見聞したお風呂スキルをちゃっかり転用してローマ随一の浴場設計技師にのし上がる。人がお風呂に求める癒しと快楽は国境も時代も超えるんですね。和のお風呂空間にヌッと存在するどう見てもローマ彫刻のルシウスが図としてすでに可笑しすぎるし。
読了日:01月21日 著者:ヤマザキマリ

同級生 (EDGE COMIX)同級生 (EDGE COMIX)
日本の少女マンガのお家芸「BL」もこんなところに来ていたんですね。か細くて艶っぽい描線は華奢なのにかなりエッチな印象なんですが、ムギュっとつかんでくるのは恋に恋していた頃の心のやらかいトコって感じです。
読了日:01月16日 著者:中村 明日美子

神去なあなあ日常神去なあなあ日常
「うそだろ〜」ってあり得ない事が起こっても、「なあなあ」で事態も心も収まってしまう、文字通り神がかった神去村の暮らし…痛快です。深〜い山の懐と、そこで育った人しか持ち得ないなんとも言えない人間の魅力と、そこで揉まれながら成長していく勇気のいっぱいいっぱいの姿(というか「独り言」)が微笑ましく、すがすがしい。普段はちゃらんぽらん、でも斧を持たせると神様に選ばれた男になるヨキもかっこいいです。
読了日:01月15日 著者:三浦 しをん

江戸演劇史(上)江戸演劇史(上)
遠くの暗闇を懐中電灯で照らすような断片的な知識しかなかった日本の古典演劇史について、臨場感を持ちながらだいぶ理解できたような気がします。実像として見えていたある看板役者の時代がいつの間にか陰画となり、小さな光彩だった若い才能(役者だったり、戯作者だったり、音曲師だったり…)が次の時代のうねりを作る…政治や時代の感性とも呼応しながら回り舞台のように展開して読んでいて疾走感がありました。演劇人が三都を往来したり、歌舞伎と人形浄瑠璃との関係も興味深いです。下巻が楽しみです!
読了日:01月12日 著者:渡辺 保
読書メーター