2016年2月29日月曜日

2月にあったこと振り返り、自分の備忘録として

ぼやっとしていたわけでは無いけれど、気がつけば2月が終わってしまいました。
今年は閏年で1日儲けました。
いろいろ整理のつかないことばかりでブログに手が伸びませんでしたが、自分の備忘録として、メモ書き。


2月13日〜15日。函館帰省。
本当は進学した虫六子が夏休みに忙しかったので、夏の予定を延ばしてひさびさのゆっくり帰省の予定だったのですが、事情が変わってしまった。先月、義母が転んで入院、そのまま立てなくなり介護施設に入ってしまい、義父が独居状態になってしまったので。

家人Tが先月緊急帰省で役所の手続きとかなんとかいろいろやってきて、今回は虫六子もつれて、お見舞いとか家の片付けとか、関係者へのお礼参りとかもろもろ…。とてもとても3日間では焼け石に水でしたが…。

新青森ーと函館を往復していた「スーパー白鳥」も乗り納めか…とか思っていましたが、これからは単身赴任さながらに北海道新幹線を利用しなければならないのかな。


18日。
翌日(19日)早朝から取材の仕事があり、福島市の飯坂温泉駅最寄りの宿に宿泊していたところへ、クマガイさんから講談師・神田陽司師匠の訃報を受け取る。我々が制作した21世紀紙芝居「蛇蝎姫と慙愧丸」の語り手としてかけがいのない方だった。2年くらい前に入院したということを聞いたりして体調のこと心配していたのだが、帰らぬ人となってしまい無念。骨髄線維症という難病だったことを知る。
お葬式はご実家のある尼ヶ崎市で行われるということで、クマガイさんに「仙台二十一世紀紙芝居一同」でお悔やみを手配していただいたけれど、ご焼香にいけないことが悔やまれる。とてもとてもお世話になった方だった。

 21日。新宿の梅。

1本の木にだけ、沢山の小鳥が集まっていた。

22日 国立小劇場 文楽
豊竹嶋大夫引退興行の千穐楽を、N姐さん、虫六子と見る。
昨年10月に人間国宝に認定されたばかり。住大夫さんが引退して、実力人気とも十分の嶋大夫さんが次の時代を牽引していくと思っていたのに、突然の引退会見がネットで流れて呆然とした。引退の理由は、少なくても健康問題ではないらしい。
最後の床を目に焼き付けたいと思っていたけれど、小さいお体から朗々と湧き出る張りのある艶声はその日出演していた誰よりも声量があり、また、情感に溢れており、なぜ今引退なのか謎は深まるばかり。
演目は「関取千両幟」で、嶋大夫さんは掛け合いのおとわ役。おとわの人形は蓑助さんが遣った。三味線は寛治さんで、演目中の場転で寛治さんのお孫さんの寛太郎さんがアクロバチックな曲弾きを披露…。でも、嶋大夫さんの語りにたっぷり浸りたかった私はかなり興醒め。どうして劇場は、引退興行にみんなが望むような切場語り・嶋大夫の得意な演目でなくこんな演目を選んだのか。
住大夫さんの引退の時の大騒ぎに比べても、謎に包まれた嶋大夫さんの引退劇をマスコミや芸能評論家も真っ当に取り上げていないところに、素人の私でさえ文楽協会に広がる闇を感じざるを得ないのであった。

芸は人が身につけ人が育てていくものだけど、それだけに、人の態度や感情に左右され、時に政治が作用して、生かされも殺されもする。ほんとうにめんどくさい。芸能史を紐解くと、人気や実力があるものが円満な芸能人性をおくっているとは限らない。今回の一件についてもいつかその真相に光があたり、芸能史に刻まれることがあるのかな。せめて門下のお弟子さんたちが見事に成長して、ちゃんと活躍できますようにと心から願わずにいられない。


2016年2月3日水曜日

1月に読み終わった本

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1148ページ
ナイス数:57ナイス

るきさん(新装版) (単行本)るきさん(新装版) (単行本)感想
あの「るきさん」が新装版になって再刊。時代も流行も超越したるきさんのキャラクターは相変わらずキュートなのですが、どっこいHanako世代の象徴のようなえっちゃんも何か普遍性をふくんでいる気がしました。表紙はハードからソフトカバーになったけど、カラートーンの冴えもそのままに再現されていて、ファンには嬉しい。巻末に加えられた2003年版のるきさんの図書館のエピソードもほのぼの。えっちゃん、もうOLさんではない雰囲気だったけど、小川君とはどうなったのかな?
読了日:1月30日 著者:高野文子

海街diary 7 あの日の青空 (flowers コミックス)海街diary 7 あの日の青空 (flowers コミックス)感想
やっと出た7巻。登場人物紹介の幸さんの表情を見ただけでドキドキしてしまうのでありました。姉妹それぞれの不器用な恋模様もすこしづつ変化しているようで…。今回は佳乃ちゃんと坂下課長の関係が良かった。それから山猫亭のおやじさんの舵取りが素晴らしかった。ミドリさんの煮魚定食も食べたいです。…と思ったら千佳ちゃんの暗い顔…。次号は秋か、秋なのか!また1巻から読み返して待つしかないのう。
読了日:1月25日 著者:吉田秋生

ふたがしら 6 (IKKI COMIX)ふたがしら 6 (IKKI COMIX)感想
…芳…。 (この時点で私的にはクライマックスを迎えてしまいました) 宗次は仏じゃないかんね、いちばんおっかない奴だかんね。
読了日:1月23日 著者:オノナツメ





フイチン再見! 6 (ビッグコミックス)フイチン再見! 6 (ビッグコミックス)感想
としこさんの男っぷり(?)の良い啖呵が惨めな時代の空気を一掃していて手足が伸びる。進駐軍も味方にしてしまう魅力は凄い。お父さん淳一さんも日本に帰ることなく命を落としてしまい、心細い一家の大黒柱となった姉妹の奮闘。威勢良く小さな家を買うところもいいなぁ。髪をばっさりも半端ないヘアスタイル。それにしても、影を持つ謎の男・関屋と本当に結婚するのか?
読了日:1月4日 著者:村上もとか


足摺り水族館足摺り水族館感想
絵的には独特の世界感をもっていて、かつ、相当の技量も感じます。冊子全体をアートコーディネイトしていく作り方も面白いし、新しいものをみた感じ。そのような形態であるがゆえに(?)ストーリーはかなり追いにくく、夢とうつつが混濁してあるような断片的でシュールな世界…ですが、この感じは個人的には好きです。
読了日:1月4日 著者:panpanya




妹背山婦女庭訓 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)妹背山婦女庭訓 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)感想
『妹背山婦女庭訓』は全部で五段構成の演目ですが、舞台にかけられる時には「山の段」「道行恋苧環」「三笠山御殿」とバラで演じられることの方が多いので、こんな話かといろいろ合点。入鹿の人を越える妖力は鹿の血が混じる出生に秘密があったとか、淡海はただの正義の味方でなく過失で一度クビになっててがそれをリベンジしたい目的もあったとか、よく見るお三輪の場面は全体からみればホンの後半の部分に過ぎなかったとか。岡田さんの絵も変型折込み縦長画面でここに極まった絢爛たる大迫力!圧巻。しかもそれが場転になっているとこがまた凄い!
読了日:1月2日 著者:近松半二,橋本治

国性爺合戦 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(4))国性爺合戦 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(4))感想
橋本治・岡田嘉夫コンビ(?)の歌舞伎絵本の続刊が出ていた(既刊3巻はゲットしてました)ことを『義太夫を聴こう』で知り、慌てて入手。『国性爺合戦』という作品は、中国が舞台で奇想天外な英雄譚という筋立てが近松門ものというイージと結びつかず、捕らえどころがなかったのですが、このくらいのあらすじにしてもらえると、すんなり入って来ました。たしかに歌舞伎っぽいぞ(そのまえに文楽ですが)。岡田さんの華麗な絵も魅惑的で、これは舞台映えするなぁーと、勝手に想像しました。
読了日:1月2日 著者:橋本治

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