2012年9月15日土曜日

大阪漫遊?_その①お初天神と大阪駅・新駅舎

大阪まで勘九郎の襲名公演を追っかけてきたおかげで、関西ひとり旅のおまけがついてきました。
しかし!大阪…東北そだちの虫六にはアウェー感ありあり。旅慣れたお友だちに下情報をお聞きしたのですがいまいち有力な情報が得られず…。昼間知らない町をぶらつくのは良いのですが、晩ごはんとかどうしようかな?と、仕事で仲良しになったJR-Wのお父さん(F田さん)にダメ元で連絡をしましたら、「案内してあげる」と休みを調整して現地案内人を引き受けてくれました。
ぎょー、虫六はただの夏休みなんですけど〜。申し訳ないナー。
というわけで、御用達の「阿部酒店」で、関西人向けにファーストインプレッションが華やかな「宮寒梅 純米大吟醸ひやおろし 蔵の華」を吟味してもらいお土産に持参。
いざ、大阪へ。

新大阪駅に着くと、新幹線乗り換えの改札でF田さんが待っていてくださり、こっちこっちと迷路みたいに駅内を引率され、エレベーターを降りたらそこが大阪駅行きのホームだったりしてマジックみたいでした。

ひとり旅はひとり旅でも、夏休みに親戚の叔父さんの家にやってくる小学生の気分なり。

で、最初に向かったのは大阪駅のとなりの阪急ビル。
こののっぽビルから駅周辺を“国見”しました。

これ!新しいJR大阪駅の巨大天蓋を見下ろしております。

こちらは阪急の梅田駅側。阪急電車が3路線ひっきりなしに往来していました。
大阪はさすがに高層ビルばっかだなー。淀川が横たわっております。
(っていうか、この雲行きがどおよ?なんですけど…)
鳥の目で市内を眺めながら、地図で本日のコースを確認。

最初に向かったのはお初天神。
ビルの谷間にひっそりと…。

なんだなんだ、このブロンズ像は。

お初が一生懸命お参りしてたお稲荷さんだね。(きっと)

去年の秋から、文楽・小説(角田光代の)・歌舞伎・三谷文楽と「曾根ヶ崎心中」づいている虫六。ついにお初天神に参りました!ここか、ここだったのか!
残るは近松の原作のみ…(爆)

ついでなので、曾根ヶ崎川の跡へも足を伸ばしました。
今はこのあたりは北新地の高級歓楽街だそうです。
高そうなお花やさんがいくつかありました。(おじさん達がママへのお土産に買うんでしょうか?)

たぶん地割りなども追えるんじゃないかなとか思いましたが、うろつくのに勇気が要る地域だったので記念碑だけチェックして、次の目的地へ。

さきほど上からチラ見した新しいJR大阪駅
片屋根の大きな天蓋に覆われて、巨大な吹き抜け構造になっております。
広々したコンコースは両側が大きなビルに直結していて、南側の「サウスゲートビルディング」は大丸梅田店とホテルグランヴィア大阪が入居、また駅の北側は大阪駅開発プロジェクトに基づいて建設された2棟構成の「ノースゲートビルディング」があり、JR大阪三越伊勢丹やファッションビル「ルクア」(LUCUA)、シネコンの「大阪ステーションシティシネマ」やスポーツクラブ、オフィスなどが入居しています。

コンコースからホームを見下ろしました。
本当はホームの屋根は取り払う予定だったのですが、駅の屋根が高いため雨風が吹き付けるのでけっきょく残したとか。

ず〜〜〜〜〜っと、エスカレーターを登って頂上までいくと…。
(それにしてもこの駅、でかっ!壮観な眺めです)

そこには癒しのスペースが。
屋上が開放空間になっていて、ベンチで寛ぐ市民の姿がありました。
天気が良ければ待ち合わせなんかに利用できて便利そうです。

貨物のターミナルが見えました。現在移設中で一部残っているのだそうです。

屋上はさらに続いていて階段を上っていくと、「天空の農園」なるスペースがあります。
ちょっとしたハイキングコースだと看板がでていました。

登りきったら葡萄棚がありました。

これから苗を植えるのかな?いま植え付けの作業中の様子。畑のまわりにテーブルとベンチが置いてあり、一息入れている人の姿がありました。

ここでは稲を栽培中。
駅もいろんなこと考えているんですねー。

そんなわけで、次はJRの市内環状線で交通科学博物館へ行きます。

2012年9月11日火曜日

大阪松竹座9月歌舞伎6代目中村勘九郎襲名公演夜の部_カーン九郎狐跳ね躍る

そして夜の部!
松竹座はちょっと変わったアプローチで、いきなりエスカレーターで2階のロビーにあがり、さらに3階に上って会場です。
 2階には、売店の他、襲名祝いの飾り絵馬が沢山飾ってありました。(これって、もしかして平成中村座でみたやつかな?)

「ぴったんこ・かんかん」でもお馴染みのよーかんちゃんからの祝い絵馬みっけ。


○大阪松竹座
中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 九月大歌舞伎
平成24年9月1日(土)~25日(火) *虫六観劇日は7日

【夜の部】

一、女暫(おんなしばらく)
   巴御前       玉三郎
   舞台番       勘太郎改め勘九郎
   轟坊震斎      翫 雀
   女鯰若菜      七之助
   局唐糸       吉 弥
   手塚太郎      壱太郎
   紅梅姫       新 悟
   家老根井主膳    薪 車
   江田源三      亀 蔵
   猪俣平六      市 蔵
   木曽太郎      進之介
   成田五郎      彌十郎
   蒲冠者範頼     橋之助
   清水冠者義高    秀太郎

二、六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)
   勘太郎改め勘九郎
        玉三郎
        我 當
        秀太郎
        幹部俳優出演
 
三、勘九郎六変化 雨乞狐(あまごいぎつね)
   野狐/雨乞巫女/座頭
   小野道風/狐の嫁/提灯  勘太郎改め勘九郎

四、雁のたより(かりのたより)
   髪結三二五郎七    翫 雀
   愛妾司        壱太郎
   若旦那万屋金之助   亀 鶴
   若殿前野左司馬    薪 車
   乳母お光       吉 弥
   家老高木治郎太夫   彌十郎
   花車お玉       扇 雀


この度の上阪の目的は、勘九郎の「雨乞狐」をこの目で見る、であります。

6代目勘九郎(勘太郎)は「雨乞狐」をこれまで2回演じていて、1回目は平成17年8月の歌舞伎座納涼歌舞伎公演。この公演を幸運にも虫六は見ているのですが、それまで「勘九郎の息子」という認識の中村勘太郎を踊りの上手い役者と認識させ注目させるきっかけとなった作品なのでした。ところが2回目になる翌年6月の博多座公演の途中で、まさかの靱帯切断という事故が起きて、勘太郎には苦しい治療・リハビリという挫折が襲ったのです。その怪我を力強く乗り越え、以前よりも踊りが上手くなったと評されるほどに努力して今回の勘九郎襲名に至るまで大きく成長したのです。
(おねいさんは嬉しいよ…(´;ω;`)ウウ・・・) 

もちろんこの数年中村屋の芝居については、虫六も遠方のファンなりにがんばって見てきて、勘太郎・七之助の成長も追いかけてきたつもりだったのですが、6月のコクーン歌舞伎「天日坊」を見て本当にガツンときて、かつ、父・勘三郎のいない襲名公演であの因縁の「雨乞狐」を踊ると知った時に、(これを見に行かずして何を見ろと?)と黒い心が入道雲のように膨らみまして、今回の上阪に及んだのでした。
(やっぱり生き急いでいるのか〜、俺?)

そんなわけで、「雨乞狐」!よかった!見終わるのがもったいないくらい。最初に見たときは、早変わりもあったし、とにかく踊りの切れ!切れ!にぶっ飛んだものですが、今回拝見して、もちろん動きの機敏さは素晴らしいけど、味わいのあるおもしろい演目なんだと再認識しました。そして、自分がとにかく「狐」好きであることを自覚しました。
猿之助や菊之助の「狐忠信」でも血が騒ぎますし、やっぱり狐が出てくるとテンションがあがってしまいます。うれしさいっぱいに跳ねあがる狐は本当に可愛いし、こちらにも活力が伝わってきます。「狐」を造形してくれた歌舞伎の神様ありがとう。
たまには「小鍛治」なんかもやって欲しいな。

ところで、今回の筋書きをみて気がつきましたが、平成18年の博多座では事故で休演せざるを得なかった勘太郎の代役は七之助だったのですね。
七之助の「雨乞狐」!見たいです。来年の新歌舞伎座開場でどすか?日替わり公演なんかされたら、2回行ってしまうかも。う〜ん、松竹さんの思うつぼじゃないですかー。

玉三郎の「女暫」は文句なし!これは安心して見ることが出来ました。やっぱり華麗な美しい玉三郎にかなうものなし。なんていうか、女丈夫なのに眩しげな表情がとにかく可愛いのです。
個人的に近代モノよりこういう歌舞伎臭い演目の方が楽しいので、つい顔がほころぶのを感じつつ堪能しました。奇妙な装束の役者たちもいちいち面白いし、ばかばかしいセリフ劇も好き。初っぱなから大薩摩の演奏も聴かせます。
最後は幕がおりて花道の引っ込みのコミカルなやりとりも、舞台番の勘九郎を相手に(アドリブか?)と思う調子のいいかけあい。お腹を抱えて笑ってしまいました。でも、本当はこれ勘三郎とやるところだったのかな?とか考えて、ちょっとせつなくもなりました。

口上は、珍しく玉三郎が音頭をとりました(はじめてらしい)。勘三郎がかけてしまったところ、親代わりにがんばっているのだなということも感じましたけれど、つまり人間国宝にもなってこの中で一番格上の役者になってしまったんだということを実感。なんだか、とても緊張しているようにみえました。猿之助のときもそうでしたが、秀太郎の口上はいいんですよね、ふくよかで愛情があって話が上手い。そして、ここでも七之助がきりっとして良かった。(虫六的に、相当株を上げてます)

「雁のたより」ははじめて見ましたが、上方の演目のようで楽しい作品でした。翫雀・壱太郎親子に扇雀も加わって、大阪のお客さん大喜びでした。

全体に口上もあるし、夜の部の方が盛り上がっている感じでした(チケットも夜の部の方が売れているみたい)。でも、お三輪、本当にいいので昼の部も見て欲しいなぁ。


ところで、はじめて入る劇場なので、お弁当食べられるのか?とか心配でしたが、昼の部の後で辺りをぶらぶらしていたら、劇場わきの牛肉の老舗「はり重」の店頭でお弁当の注文を取っていました。で、聞いてみたら、「幕間にいちど劇場を出て、みなさんここまで取りに来るんです」と!(ええっ、劇場再入場ですか??)でびっくりしまして、予約してみました。
幕の内弁当もありましたが、あまり食欲がなかったので、「ビーフカツレツサンド」をオーダー。


口上のあと、ソッコーで「はり重」さんまで走って受け取りに。どきどき。
1階に降りたら、劇場地下の様々なレストランさんが予約のお弁当を沢山重ねて受け渡しをしていました。
「はり重」さんでもできたてのお弁当を準備して待っていてくれました。レストランを予約して食べる人もいるようでした。
ね、会場のそとですよ〜。

ビーフカツレツサンドはたった3切れで、りっぱなお弁当が買えるほどのお値段でしたが、厚くてふんわり柔らかいお肉にパリッとした衣のカツレツが挟んであり、「さすが牛肉専門店」とうなる美味しさでした。またひとつ美味しいものを知ってしまった。

やっぱりなにかが違いました、上方は。
面白いね〜。

大阪松竹座9月歌舞伎6代目中村勘九郎襲名公演昼の部_七之助のお三輪が素晴らしい

給料は安いが夏休みだけはある虫六の職場…。例年は途切れ途切れの飛び石休暇でしたが、今年はまとめて取れるというので、ちょっと遠出でもしてみようかな?と、大阪にやってきました。ここは大阪松竹座であります。
  

突然ですが、ここで一首。

 秋芝居 60ヘルツの鉄路駆り
 カーン九郎狐と 跳ね躍る

なにを隠そう、中村勘九郎襲名大阪公演。
ついに追っかけか?虫六! c(>ω<)ゞ


○大阪松竹座
中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 九月大歌舞伎
平成24年9月1日(土)~25日(火) *虫六観劇日は7日

【昼の部】

一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 三笠山御殿

   杉酒屋娘お三輪       七之助
   入鹿妹橘姫         壱太郎
   烏帽子折求女実は藤原淡海  新 悟
   豆腐買おむら        翫 雀
   漁師鱶七実は金輪五郎今国  橋之助

二、俄獅子(にわかじし)
   芸者お扇     扇 雀
   鳶頭駒吉     橋之助
  
  団子売(だんごうり)  劇中にて襲名口上申し上げ候
   お福  勘太郎改め勘九郎
   杵造       七之助

三、瞼の母(まぶたのはは)
   番場の忠太郎  勘太郎改め勘九郎
   お登世     七之助
   半次郎母おむら 竹三郎
   金町の半次郎  亀 鶴
   半次郎妹おぬい 壱太郎
   板前善三郎   亀 蔵
   鳥羽田要助   市 蔵
   金五郎     彌十郎
   水熊のおはま  玉三郎

勘三郎丈が病気療養のため、出演できず、玉三郎丈が親代わりになっての奮闘公演です。


この度の昼の部、主役の勘九郎には申し訳ないけれども、出色の演目は「妹背山婦女庭訓」。七之助のお三輪でした。

「三笠山御殿」のみですので、いきなり苧環もって現れる場面から。
橘姫が壱太郎、求女が普段は女形の新悟で、若いふたりは物足りなさはありますが、初々しく一生懸命やっている感じでした。壱太郎は綺麗なので特にゆるす!で、七之助のお三輪が花道登場となるんですけど、これが「ええっ!七之助君いつの間に大きな役者になったの?」という、格差を感じさせるオーラ。ち、違っているんですけど。

そもそも「妹背山…」って変な話ですよね、つまりリアリティに欠けるなといつも思う。しかし、今回のお芝居のお三輪には感情的にすっと入っていけました。
大化の改新という政治の大きなうねりの中でお三輪の一途な思いなんか問題じゃないわけですが、そういう政局に人生を翻弄されるちっぽけな女性の強い情念といいますか。

豆腐買いのおむらとのやりとりや御殿女中にいじめられる場面は、世間知らずで可愛くて…という感じでいじられていたのが、橘姫と求女がいよいよ婚礼すると知った場面の感情が嫉妬に変わる花道の演技がなんか素晴らしくて、鳥肌ものでした。

一列目だったので、ちょっと振り返るような感じで花道をみたんですけど、やや逆光気味のシルエットに、汗なのか涙なのか(!)ぽとぽと落ちるのがきらっと見えて、ここで肚のある演技をするのです。迫真の、リアルを感じる演技です。
お三輪の悔しさとか悲しさとか憐れとかぞぞ~っと伝わってきて、会場がその気迫に飲まれていました。
会場は当然大喝采です。
これまで何度か「妹背山…」は見ていますが、こんな素晴らしいお三輪を見た事がないと思いました。
誰か、中村七之助に芸術選奨の新人賞あげてくれ。


それに比べて、おや?だったのが玉三郎丈です。昼の部は「瞼の母」のおはまですが…。
ちょっと、違和感のある間。セリフ…大丈夫?演技?微妙でした。めずらしく亀蔵がセリフ忘れてプロンプターの声がしてましたが、それもこの時のやりとり。きっと調子を崩されて、ど忘れしたんじゃないかな?こんなこと、ありえないなぁ、今までの玉丈の舞台では。調子悪いのかな?と心配になりました。

おはま、年より若く見える年増という役どころなんですが、少し老け作りしすぎているという気がしました。本人の考えもありましょうが、玉三郎丈の老け役…正直すこし違和感があります。

竹三郎のおむらが色っぽくて良いですね。

勘九郎の忠太郎は、もちろん粋でカッコ良かったです。それにしても、(知っていましたが)そっくり勘三郎に。特に声が…。
でも、コクーンの「天日坊」を見たあとだけに、長谷川伸の「瞼の母」はちと物足りない気がしました。…が!これが大阪では受けるらしい。(とみました)
少し小さめの会場なので、大向こうからも威勢良く掛け声がかかり、なんだかアットホームな雰囲気なのです。まわりの人たちとかすすり泣いていたりして、(ええ、おいらセリフつっかえた玉様になんか泣けないぞ〜)なんですが、この会場の雰囲気には飲まれました。

舞踊二題も安心して見られる演目ですが、この日は長唄の地唄さんが筋書き(大阪では「番付」と呼んでいるらしい)と違っていて、ちょっとがっくり。大阪なので杵屋東成師匠の唄が聞けるかな?と期待したのですが、これははじめから予定になかったみたい。残念でした。

「団子売り」のはじめに中村屋兄弟による劇中口上がありました。
勘九郎の口上もさることながら、七之助が父の不在をお詫びしながら、その分も自分たちががんばりますという意志を唱えて、なんだか逞しいのでした。
確かに、襲名中に後ろ盾の父が倒れるというのは心細いでしょうが、これも乗り越えなければならない試練なんでしょうね。


そんなわけで、【夜の部】は待ちに待った「雨乞狐」です!



2012年9月3日月曜日

8月に読んだ本

8月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1810ページ
ナイス数:43ナイス

図解・新幹線運行のメカニズム (ブルーバックス)図解・新幹線運行のメカニズム (ブルーバックス)
ふだん新幹線に乗り込むときによく目にする「折り返し7分間の社内清掃」が象徴するように、日本の新幹線は安全性・快適性・正確性で世界最高レベルの運行システムを持っている。…とはいえ、専門のことはちょっとねとハードルが高いなと思うところ…、でも、この本はずいぶん分かりやすい。日本の新幹線って「総合システム」として本当に凄いんだということがすんなり納得できた。ここまで読むと、車両や走行をささえる設備についてももっと厚い説明が欲しくなるけれど、この先は歯が立たないかなー?
読了日:08月29日 著者:川辺 謙一

つらつらわらじ(4) (モーニング KC)つらつらわらじ(4) (モーニング KC)
懐の深い主君ってすごいなー。今回は鳥人間・幸吉のエピソード。御法度ごとを遠くから赦してやる。新しい技術が生まれる局面って気狂いと紙一重の天才の粘りとそれを理解して守ってやるリーダーの存在なんですよね。とはいえ、大名行列もそろそろ江戸に近づいてきました。側近・山和木の心を振り絞る一言(涙)。個人的には第二家老・行木長門にもっと登場して欲しいです。
読了日:08月27日 著者:オノ・ナツメ

へうげもの(15) (モーニング KC)へうげもの(15) (モーニング KC)
干し柿をほおばりながら、割れた小茄子の茶入れに己の弱さ・脆さを受け入れて慙愧する石田三成。その三成が死後に託して表現した金継ぎの茶入れがモダンでカッコいい。そこだけ評価する織部のへうげ指標がまたなんていうか…。上田左太郎、大津城大手門での決闘場面のトンボ目が強烈!生きてて良かった。
読了日:08月26日 著者:山田 芳裕

舟を編む舟を編む
絶対音感とか色彩感覚とか並みの人が触っていない世界を捉える感性がある。言葉にも感性の敏感な人がいる。辞書作りには当然そんな感性が必要とされるわけで、それは学習したからといって誰でも身につくわけではなさそうだ。馬締は社会人としては不器用そうだけど、辞書作りに邁進する姿はまるで画家かピアニストのようだ。そんな彼に対し、自分の非力を認めつつ編集スタッフから外されても『大渡海』完成を脇から支えた西岡君がかっこいい。はじめ小説にしては地味だな感じていた装幀も終わりまで読むと納得、いいデザインだなと思った。
読了日:08月25日 著者:三浦 しをん

悪い本 (怪談えほん1)悪い本 (怪談えほん1)
こういう絵本で刷り込まれたこどもって、どういう想像世界を持って成長していくんでしょうか…。とは言え、これは帰省時に実家の義父が娘に与えた1冊。さすがに小学生じゃないけどね、しかし、大人ほど怖いとも言えるところが、また…。
読了日:08月18日 著者:宮部 みゆき

そして生活はつづくそして生活はつづく
小学生の時のうんこばなしは有名なようですが、そんなのはホンの氷山の一角?ってな、馬鹿話が満載。よくぞ芯を萎えさせずにいい大人に成長してくれました。ようこさん(母御)が素晴らしい。娘が源ちゃんファンでつき合って読みましたが、あまりのおばかさと可愛さに私も好きになりました。
読了日:08月17日 著者:星野 源

絵本 夢の江戸歌舞伎絵本 夢の江戸歌舞伎
ずっとずっと見ていても見飽きない、江戸芝居の魅力がありありと伝わって来る絵本です。絵そのもののすばらしさもさることながら、詳細な考証に基づいた一級品の資料だと思います。同著者の「大いなる小屋 江戸歌舞伎の祝祭空間」を読んで、また眺めるとより描かれている世界が深く理解できます。買っておいて良かった!
読了日:08月16日 著者:服部 幸雄

大いなる小屋 江戸歌舞伎の祝祭空間 (講談社学術文庫)大いなる小屋 江戸歌舞伎の祝祭空間 (講談社学術文庫)
かの渡辺保氏に「紙の上に劇場を建てた」と評させた名著の誉れ高い劇場空間論の文庫化。江戸時代の芝居小屋の世界観や構造・仕掛けから小物一つに至るまでの意味するコード、役者が備えた要素にもいろいろな意味があり、変容がある。現在の劇場からすると、魅力に満ちた江戸の芝居小屋。金丸座、康楽館と一度体験するとまた行きたくなるけれど、その面白さの秘密やエネルギーの源泉を解き明かされている気がしてくる。何度も読み返したい一冊だ。
読了日:08月16日 著者:服部 幸雄

ぼおるぺん 古事記 一ぼおるぺん 古事記 一
ボールペンですと!またまた、こうの先生の絵のうまさを思い知る1冊。これまで、難解な古事記を理解するための意訳書や解説書は数あれど、絵解きとは!イザナキ神とイザナギ神の睦まじい感じがこうの画調でいい。黄泉の国の神になった妻を「写真」で偲ぶところが泣けます。漫画版古事記というんじゃなくて、まんがじゃなければ表現できない古事記の誕生ですね。続巻がいまから楽しみ。
読了日:08月14日 著者:こうの 史代

2012年8月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

2012年9月2日日曜日

せんだい演劇工房[10-BOX]開箱10周年

いつもそうとうお世話になっている、せんだい演劇工房[10-BOX]が10周年を迎えたそうです。
で、「ウッドデッキで雄勝法印神楽をやるもんね〜」とY巻工房長に自慢されたので、仕事を休みにして見に行きました。

いつもは車で行っちゃうところを今日はバス。お、「古典芸能ふれあい祭」とな。卸町芝能「殺生石」の縦看も立っています。この卸町公園の芝生の上で演能するらしいです。
それにしても、あんまり10周年記念事業は強調されていない感じですかね。

能-BOXや鳩の家で古典芸能ワークショップや能面の展示などもありましたが、支障がありそうなので写真省略。1週間、仕舞のお稽古した未就学児から小学生までの発表会もあり、その吸収の良さに驚きました。ちゃんと立派な袴をつけて舞台に立っていました。
こんな小さい時からお能なんかに触れる機会をもった人がたくさん育っていくと、S市の古典芸能鑑賞者層は分厚いものになっていくでしょうね。

 いよいよ、10-BOX中庭のウッドデッキ(例の神楽舞台が組まれています)で、雄勝法印神楽の社中による湯立て神事がはじまりました。特大金目鯛が2尾お供えしてありました。Y巻工房長ほかスタッフの代表がお祓いしてもらっていました。東北を襲った禍々しい憑きものを取り払い、10年以後の10-BOXの繁栄をお祈りするのだと。雄勝の神様どうぞよろしくお願いします。

「雄勝法印神楽」は、道具のほとんどを津波にさらわれて存続の危機にも立たされたのでしたが、様々な復興支援でなんとか一通りの支度ができるようになったとか。神楽面は、元の写真などをもとに奈良の文化財研究所(奈良国立博とは言ってなかったようですが)に復元を依頼中とのことでした。満身創痍の状況にありながらも、震災の後、地元や各地で元気な気概を示しつつ演じていらしたのですが、機会がつかめず、虫六は見にいけなかったので、とても楽しみでした。


 今日の出し物は、「魔王退治」と「日本武尊(ヤマトタケル)」。
民「魔王って奴らが悪さをして参ってんですよー。」
スサノウ尊「なになに、そんじゃ俺が退治してやるよ」

 道化の魔王たち。1メール半くらいの青竹をもってトライアングルな舞。お囃子も調子よく、楽しい演舞です。よくこんがらないで踊れますねー。

そこに「おらおらーっ」と、スサノウ尊登場。
四角い神楽舞台が、突如格闘技のリングに早変わり(?)、場外乱闘の迫力です。
うりょ!
(太鼓方、急に駆け出す!)
たのしくやっていた魔王たち、ぼこぼこにされています。
一般のお客さんまで舞台に上げられて、場内がわっはっはーと沸きました。
(熱戦をよそに、外れかけたピンマイクをすばやく取り外す太鼓方!すみません、余計なところに目を奪われてしまいました)


 もう1番は「日本武尊」
美しい岩長姫がしずしずと可憐に踊ります。謡の声がときどき裏声になって、それが可愛い。(そこは反応するところではないのかもしれませんが…)
しかし、なんたら「三種の神器」の宝剣《天叢剣》を盗んで行っちゃった。じつは黒いヤツでした。


 宝剣を盗まれたことに気がついた日本武尊。怒り狂って踊ります。
「アンニャロー、赦さんぞー!!!」幣束とぶとぶ。
囃子方の荒拍子もド迫力です。

 鬼面に付け替えて形相も装束も変わった岩長姫(実は悪鬼、蛇形に変身です)登場。太鼓を足場にして、櫓の上に。
10-BOXの狭い中庭いっぱいにセットされた神楽舞台の、四方の柱ごと櫓がたわんで、おいおいってくらいに迫力がありました。

岩長姫、どや顔で日本武尊に対峙。それにしても、しなやかな身のこなしです!

櫓の上で仁王立ちの岩長姫。

蛇なので(?)櫓に絡みついて宙返り、へへへのへ〜。
怒る日本武尊。 


 だんだん、あたりが暗くなってきた。

内村航平も真っ青のぶら下がりキック。C難度!

地上に降りても、幣束が飛び散る激しい戦いでしたが、ついにやられてしまいました。
なんていうか、虫六、勝手に岩長姫の応援してました。
(ちなみに格闘技ではありません。素晴らしい伝統芸能です!型があって演じられています!)

 首を取られた岩長姫。
面を刀で拾って表現しております。
しかも!この面を取り外して姫が去るときに分かったのですが、岩長姫を舞われていたのは伊藤会長でした!!やっぱりなー、動きが違いましたな。うわー、儲けた気分!嬉しいぞ。
岩長姫(の姿を借りた悪鬼)を討ち取った日本武尊。
今度は面をはずして「チラシ」という剣舞を舞います。2本の刀を素早く振り回しながらリズミカルに舞う、見せどころのある締めの演舞です。

うわ〜面白かった。
それにしても、雄勝法印神楽ってどうしてこう血が沸くのかな?こちらは見ているだけなのに。なんていうか、ケレンがあるんだなー。
またみたいなと、つい思ってしまうのでした。

Y巻工房長を囲んで記念撮影。
みなさんそれぞれ良い笑顔。満足感が漂って、こちらまで嬉しくなりました。

 夜は、卸町芝能「殺生石」

○卸町芝能「殺生岩ー白頭」
日時:2012年9月1日 19:00開演
会場:卸町公園
入場料:3000円(全席自由)

シテ(玉藻ノ前の化身、殺生岩の精魂)_山中ガ晶( ガは点2つのしんにゅうに牙)
ワキ(玄翁上人)_舘田善博
アイ狂言(玄翁上人の従者)_野村太一郎

笛_小野寺龍一
小鼓_田辺恭資
大鼓_大倉慶乃助
太鼓_梶谷英樹
地謡_梅若紀彰ほか
後見_松山隆之ほか

後ろの席で少々遠目ではあったのですが、夏らしい雰囲気のもと、こんな風に「能」に触れる機会があるのはいいなと思いました。「殺生石」という演目も、丁度良い長さと構成で、上手に選んだなと。上手といえば、シテの山中ガ晶さんは昼の「こどものための能講座」の発表会でも感心したのですが、とても解説が旨い。わかりやすい前説で、演目の見どころを紹介してくれました。今後も活躍してくれることでしょう。

公演中、舞台の背景に十六夜の月が出てきました。なんだか幻想的な光景でしたよ。
そのうち、10-BOXのホームページや、雑誌・機関誌等にも紹介されると思うので、アンテナを張ってみてください。

それにしても、10-BOXの開箱10周年。
事業予算なんたらという次元でなくて、一緒にお祝いしたいモードの人も少なからずいると思うのですが、このあり方はこじんまりしすぎじゃないですかね?そういう、いままで10-BOXに支えられた人たちや、支えてきた人たちの思いを形にするようなアイディアはありそうな気がしましたが…。なんだかちょっと気になるなぁ。