2013年3月21日木曜日

歌舞伎 江戸の芝居小屋

前々から面白いと評判だけは聞いて、なかなか足を伸ばせなかった展覧会がありまして、運良く出張が入った(しかも用件は午後から)ので、ラッキー!とばかり六本木にやってきました。


○歌舞伎座新開場記念
「歌舞伎 江戸の芝居小屋」展

会場:サントリー美術館
会期:2月6日(水)~3月31日(日)
時間:10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)

休館日:毎週火曜日
入館料:一般 当日 1,300円 前売 1,100円
    大学・高校生 当日 1,000円 前売 800円

主催 :サントリー美術館、朝日新聞社
協賛:三井不動産、三井住友海上火災保険、サントリーホールディングス
特別協力:松竹株式会社、株式会社歌舞伎座、松竹大谷図書館、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

ぎりぎりセーフの感がありましたが、間に合って良かった。

「第一章 劇場空間の成立」「第二章 歌舞伎の名優たち」「第三章 芝居を支える人々」「2013年4月2日(火)、歌舞伎座新開場」という4部仕立て。
見応えあるのは当然のことながら「第一章 劇場空間の成立」。
(最後のコーナーに至っては「第4章」ですらないコマーシャルってことでしょうか?もうすぐ開場するわけだし、見にいけばいいわけよ…)
…「歌舞伎の芝居小屋は、江戸時代の人々にとって、非日常的世界へと誘う夢の空間でした。本章では、歌舞伎芝居の祖とされる出雲阿国の舞台姿や、京の名所として芝居小屋を捉えた絵画をはじめ、幕府公認の芝居小屋・江戸三座の一つである中村座を描いた菱川派の肉筆画、西洋の遠近法を駆使して劇場内部を描写した浮絵などを通じて、当初は社寺の境内で行なわれていた歌舞伎が、仮設の舞台、そして、複雑な舞台装置を備えた常設の芝居小屋を獲得していくまでの流れを追います。」とあります。

「洛中洛外図」などの屏風絵や巻絵に当時の風俗として芝居や芝居小屋が描かれていて、しかも時代を追って芝居の発展のありようを知るができて興味深く拝見しました。

出雲の阿国が姿を現した桃山時代は、仮設の舞台だけがあり、そこにお花見よろしく毛氈を敷いて見物したり、芝居からちょいと距離のあるところで淫靡な感じで男女が侍ってたり、なぜか若いお母さんが胸をはだけて子供に乳を含ませているところ(子抱きっていうんですかね?)が描かれていたり…、野外ライブのような奔放さ。

時代がたって江戸になると、音曲の編成に三味線が加わってきたり(しかも3丁!)、中村座や市村座の芝居小屋案内図みたいのもあった。舞台のお芝居のほかに、楽屋の様子が描かれるようになったり、客席にはなぜかあの子抱きの母子が(固定モチーフ化している?)必ずいるところがおかしかった。そして、何より江戸時代は芝居小屋のあたりは、みっしり!っていうくらい人出があったというか密集していました。画家は、“人がいっぱいいる”ということを描こうとしていたね。

前髪立てた若衆歌舞伎の役者のイケメンぶりというか、イケイケ調盛り上がりも感じるところがありました。ま、ジャニーズってわけだ。

また、歌舞伎舞台や花道も板の枚数とか分かって、これ、その筋(古建築)の人たちにとっては貴重なデータなのでしょうね。

それから、「河原崎座場内絵図」(歌川豊国、寛政5年)と「中村座場内絵図」(歌川豊国、寛政10年)は3枚続きの浮き絵ですが、中央の1枚はその時の芝居をモチーフにしていますけど、両側の2枚は「同じ版木でない?」というそっくり画像。省エネだな〜、江戸の印刷業界は…と、おもわずう〜んと見比べてしまった。

「第二章 歌舞伎の名優たち」の方も、似せ絵もあったけど、舞台以外の役者の個性にもスポットが当てられ面白かったです。俳句とか、俳画とか…役者は教養がありますね。

もっとじっくり見たいとところでしたが、人も混んできたので、図録を買って帰ることにしました。

それにしても、六本木は暑かった!!
S市から春用のコートを着ていったのに、暑くて荷物になりました。
ちなみに、サントリー美術館のある東京ミッドタウンあたりは、いまこんなコトになっています。

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