勘九郎・七之助新緑特別公演が、今年も素通りせずにS市に来てくれました。
仕事帰りに、中村屋兄弟の艶のあるお姿が拝める…ありがたい贅沢でございます。
○中村勘九郎・七之助新緑特別公演2015
*S市公演は、5月22日(金)
1)ごあいさつ(芸談)
勘九郎
七之助
新 吾
2)女車引 清元連中
千代 仲之介
春 仲四郎
八重 鶴 松
3)仇ゆめ
狸 勘九郎
舞の師匠 新 吾
揚屋亭主 小三郎
禿 鶴 松
深雪大夫 七之助
芸談では、弟分の新吾さんが加わって仲良しトーク。新吾さん、いつの間にお育ちになって背高っ!さすが彌十郎さんのDNAですね。もっと伸びそうな勢いです。華奢なのでまだ女形も大丈夫そうではありますが…。兄弟は前日、楽天戦を観戦なさったそうで、その話で盛り上がり、勘九郎さん「野球そんなに興味なかったけど、昨日から楽天ファンになりました」と。もちろんS市のお客さん大喜び。お芝居中にもアドリブで野球ネタ満載だったので、まんざらリップサービスじゃないのかも?ぜひ、始球式で投げてやってください。そんな事になったら虫六も野球観戦もやぶさかでナシ!
セブンはファンの女性から「お誕生日おめでとう」とお祝いされて、誕生日を生田斗真君や松本潤君らのお友だちに祝ってもらったエピソードを披露しておりました。
「女車引」は中村屋門弟の舞踊です。「菅原伝授手習鑑」の白大夫の三つ子の兄弟(梅王丸・松王丸・桜丸)の「車引」の場面を、女房達に置き換えた趣向で舞踊に仕立てたもの。三人の個性がお芝居にリンクしていて面白くみました。仲之介さんのキリッとした千代が良かった。あー、千代さんはこの後で自分の子ども(小太郎)を犠牲にしなければならないのだなーなどと本筋にもイメージが繋がっていきました。
それにしても「菅原…」は、松王丸:千代、梅王丸:春、桜丸:八重…と登場人物のネーミングも気が利いているなぁ。
今回、大活躍の鶴松君、演目連続出演。八重はまだ生娘みたいな初々しい風情です。
鶴松君の踊る大曲も見てみたいなー。娘道成寺とか鷺娘とか藤娘…とか。歌舞伎座なんかの舞台ではまず実現できないと思うのですが、このような巡業公演で挑戦させて欲しいっす。それをお目当てにお客さんも増えるんじゃないかな。中村屋の看板も盤石ですねー。
「仇ゆめ」は、狸もののファンタジー。中村屋らしいユニークな演目で、どきどきありドタバタあり最後はほろり…。兄弟の(錦秋・新緑)公演も11年目に入ったそうで、これまでは舞踊中心だったのですが、お芝居も観たいという要望に応えてのこの演目とのことですが、このセレクトは大正解ですね。初めて歌舞伎をみる人にも分かり易くて楽めますし、ちょっとクセになる面白要素が満載です。
勘九郎丈のたぬきは愛嬌もあり、踊りの巧さも魅せます。今回、虫六がゲットした席は前方脇舞台近くでしたが、スッポンから勘九郎狸が化けた踊りの師匠が出て来た時はテンションあがりました。(うおーっ、エレクトロンホール(元・宮城県民会館)って、スッポンがあったのかー!!初めて知ったぞー!)
なにしろおどけた演技が可笑しくて、アドリブもあり、清元で控えている「邦楽界のリチャード・ギア」(←勝手に命名)こと延寿太夫が笑いをこらえるのに苦労しているのが、また可笑し。
深雪大夫(七之助)に恋していて、なんだか上手い感じになると、狸が興奮してしっぽが出ちゃうところの、毛が三本足りない感が可愛くもあり憐れでもあり。
大夫の方は舞の師匠(新吾)_ちなみに江戸に女房がいる_に惚れていて、こちらはこちらで切ない恋模様があり、てんやわんやの三角関係。あー、面白かった!
狐も好きですが、狸もいいね。難しそうですけどね…(^-^;
がんばれ!中村屋!
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