2017年5月2日火曜日

途中下車で歌舞伎座4月公演にて染高麗&猿之助の『伊勢音頭恋寝刃』_こんぴら歌舞伎2017弾丸ツアーレポート①

ゴールデンウィークに突入前の4月21日(金)〜24日(月)、休日出勤の振休を投入して連休をいただけたので、黒光りした翅に身を包み、行ってきました琴平へ。少々長いので、数回に分けてご報告いたします、です。

久しぶりの金比羅詣。
前回は虫六子の浪人中だったので2014年のことでした。あれも「予備校を休みたくない!」と言われて弾丸ツアーでしたな(遠い目)。 虫六子は今回も来たがっていたけれども、学校休めない(MAUは土曜日も授業)ので残念でした。…っていうか、おまいの分まで浪費できないので、行きたいなら自分で旅費を賄って欲しいんですけど… ( ̄◆ ̄;)

まぁ、せっかく琴平まで行くのでお江戸で途中下車。琴平行きの列車までだいぶ時間がありますので、まずはこちらのパワースポットに…。

4月の歌舞伎座・昼の部は、染高麗と猿之助の『伊勢音頭恋寝刃』が掛かっております。
見ない理由が見つけられないなーと空き席をチェックしましたら、好ましい席が1つ空いておりまして、理性細胞は「幕見」にしろっ!て言ってたんですが、指先が暴走してポチってました(爆)

歌舞伎座4月大歌舞伎
【昼の部】

一、醍醐の花見(だいごのはなみ)
中内蝶二 作 今井豊茂 脚本

豊臣秀吉   鴈治郎
豊臣秀次   松也
大野治長   歌昇
曽呂利新左衛門   萬太郎
淀殿     壱太郎
三條殿    尾上右近
大野治房   種之助
前田利家室まつ   笑三郎
松の丸殿   笑也
石田三成   右團次
義演     門之助
北の政所   扇雀


二、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば) 追駈け/地蔵前/二見ヶ浦/油屋/奥庭


福岡貢    染五郎
仲居万野   猿之助
料理人喜助  松也
油屋お紺   梅枝
油屋お岸   米吉
奴林平    隼人
藍玉屋治郎助 錦一
桑原丈四郎  橘太郎
杉山大蔵   橘三郎
徳島岩次実は藍玉屋北六   桂三
藍玉屋北六実は徳島岩次   由次郎
油屋お鹿   萬次郎
今田万次郎  秀太郎


三、一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき) 熊谷陣屋

熊谷次郎直実 幸四郎
源義経    染五郎
熊谷妻相模  猿之助
亀井六郎   宗之助
片岡八郎   竹松
伊勢三郎   男寅
駿河次郎   弘太郎
梶原平次景高 錦吾
堤軍次    松江
藤の方    高麗蔵
白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清   左團次


実は「4月に『伊勢音頭…』かよー」と思っていましたが、『醍醐の花見』はさすがに桜満開の舞台で華やかでした。桜の舞台装置も見事でしたが、膜が上がると5人の女形がずらーっと並んで妍を競っておりました。
『醍醐の花見』は、「北野の大茶会」と並んで有名な太閤秀吉主宰のイベントで、慶長3年に京都・醍醐寺で催されたお花見のことだそうです。
北の政所を中心に、淀君(壱太郎)、松の丸殿(笑也)、三條殿(右近)、前田利家の正妻まつ(笑三郎)が勢揃いして、ライバル意識剥き出しで一悶着…。笑也さんがイケズな感じを滲みだして良い仕事してました。悔しがる壱太郎さんの表情が、羽生弓弦君に似ていました(笑)

春爛漫ののどやかな風情に、酔い心地。鴈治郎秀吉が花道から登場して、舞台に届いたところで客席を眩しげに眺めると、私たち桜に見立てられた気分です。鴈治郎さんの大らかさが天下人ぽい。このほろ酔い気分が、いつの間にかどろどろ禍々しい夢の中に引きずり込まれる感じになって、気がつくと松也秀次に因縁つけられて、襲われる展開。
…あー、秀次って秀吉に関白にさせられたのに結局切腹させられた甥でしたね(『真田丸』反芻)。右團次三成が出て来て立ちまわりをしたら、舞台がピリッと引き締まりました。まとまった良い作品でした。基本的に舞踊劇みたいで、地方さんがず〜〜〜〜っと演奏しっぱなしなのに驚愕しました。さすが「長唄」。

曽呂利新左衛門で萬屋さんの萬太郎君が良い役をもらって印象に残りました。口跡良いし、踊りもきちんとしていて好感です。萬太郎君はたしか三味線が得意だって聞いたので、邦楽番組のMCでもやって欲しいところです。NHKさん、どおですか?

さてお目当ての『伊勢音頭恋寝刃』。福岡貢は染五郎さん。仁左衛門さんがお稽古に入ったという噂が聞こえてきました((w´ω`w))。やっぱり白地の絣、似合いますね。
でも難しい感じもありました。秀太郎の萬次郎とのやり取りで、貢の方がすっころばしに見えてしまうとか、決めて欲しいポーズがやや決まってなかったり。でも仁左衛門以外では、今この役いちばん似合う役者さんだと思うので、ぜひ何回もやってご自分のものにしてください。
万野は猿之助さんですが、性格悪ーい役をなんだか楽しそうに(たぶん)やっていました。ねちねちと。こういう役、面白いんでしょうね。

貢が白絣(これが、殺人事件で鮮血に染まるわけですが…)なら、万野は黒の絽でしたね。やっぱり夏の出し物ですよね…うだるような真夏の狂気劇なんだよね。

いちばん口跡がよく、セリフが聞き取りやすかったのはなんといってもお鹿の萬次郎さん。素晴らしい安定感。哀れだけど、かわいいお鹿さんでした。梅枝さんのお紺は幽霊みたいで怖かったぞ。松也さんの喜助ははまり役ですね。

『熊谷陣屋』は、幸四郎さんの熊谷直実。首実検の場面、女房相模の動揺を読んで(とにかく落ち着け…)って表情で手で制する場面に「情」が感じられて良かったです。でも、猿之助さんの相模はなんだか教科書通りって感じで感情移入ができませんでした。
芝翫襲名公演(2016年10月_すみません、見に行っときながらブログ書いてませんでした…_ノフ○)の芝翫熊谷、魁春相模の舞台を見た時はぼろぼろ泣けたのに…。不思議だな。

様々なジャンルとのコラボレーションや、失敗を恐れず新作にも意欲をみせ、活躍目覚ましい染高麗と猿之助。歌舞伎の可能性を広げつつ、また自身のプロデュース経験を積むということでは大事なことだと思いますが、個人的にはこういう歌舞伎らしい演目で役者として成熟していく姿をみたいです。

夜の部に掛かっている猿之助の『奴道成寺』も気になりましたが、時間がないので、そのまま六本木まで足を延ばし、サントリー美術館の『絵巻マニア列伝』を大急ぎでみて…
この日最終的に向かったのは東京駅。
S市から金比羅ツアー同行のIK田さんと待ち合わせてして、軽く腹ごしらえしたあと乗り込んだのは…

この列車!東京駅22:00発のサンライズ瀬戸。日本に残る最後の普通料金の寝台特急です!(岡山で、サンライズ出雲とサンライズ瀬戸に別れます)
1ヶ月前、金比羅歌舞伎チケットも入手できるかどうかも分からないのに、行くぞって事だけを決めて、「10時打ち」で指定席をゲットしたのです。
そんなわけで人生初の寝台特急で再び琴平に向かいます。

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