このホールで見るときは、取れれば2階最前列中央寄りが特等席と決めている虫六。チケット売り出しの日が出勤日だったので、その頃まだ身分定まらない虫六子にアルバイト代をはらって並んでとってもらいました。どこまでも黒い親虫です。
平成26年度(公社)全国公立文化施設協会主催 中央コース
松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め 四代目 市川猿之助襲名披露
九代目 市川中 車襲名披露
6月8日 東京エレクトロンホール宮城
一、三代猿之助四十八撰の内 太閤三番叟(たいこうさんばそう)
太閤秀吉 市川 右 近
淀の方 市川 笑三郎
北政所 市川 笑 也
二、四代目市川猿之助
九代目市川中 車 襲名披露 口上(こうじょう)
亀治郎改め市川 猿之助
市川 中 車
片岡 秀太郎
幹部俳優出演
三、一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)
お蔦 亀治郎改め市川 猿之助
駒形茂兵衛 市川 中 車
波一里儀十 市川 猿 弥
堀下根吉 段治郎改め市川 月乃助
若船頭 市川 弘太郎
船戸の弥八 市川 猿四郎
清大工 市川 寿 猿
老船頭 坂東 竹三郎
船印彫師辰三郎 市川 門之助
例により、福山幕出現!会場は満員、3階までぎっしり。チケットは完売御礼だそうです。
これまでの3公演は「義経千本桜」(の「四の切」)と何か…だったのですが、今回の出し物は「一本刀土俵入り」。口上で襲名公演ではじめての女役と言ってましたが、琴平で袖萩(「袖萩祭文」)やってましたのに…。ま、いいか。
「太閤三番叟」は澤瀉屋の人気者、右近・笑也・笑三郎の競演。いつもは可愛くやさしい面差しの役の笑也さんが、淀君でちょっと恐めで迫力の作り。でも、横長の舞台に映える美しい絵面の踊りで見応えがありました。右近さんの太閤も大きくて舞台映えして、良い演目だと思いました。いろいろ穢れをはらっていただきありがとうございます。
襲名口上は、秀太郎さんが仕切ってくださいまして、慈愛のあるいい口上でした。秀太郎さんの口上はいつもふくよかで良いなぁーと思います。心強いですね。竹三郎さんもお元気です。頑張れ澤瀉屋、頑張れ新・猿之助!最後はなんだか口上っぽい感じじゃなくなって、亀ちゃん、もとい、猿之助にマイク(ないけど)を渡すみたいになり、「一本刀土俵入」の作品解説。「作者の長谷川伸は、ご当地出身の劇作家・真山成果と同年代の脚本家で…」などと、博識な所を見せつつ、地元のお客さんを喜ばせておりました。いつもの決めぜりふ「歌舞伎を、猿之助を、ご贔屓ご愛顧の程、お見捨て無く!」も健在でした。
「一本刀土表入」も、猿之助のお蔦は色っぽくてもちろん良かったけど、中車さんの茂兵衛も体格が力士っぽくないなーと言うことくらいで、演技には不安要素感じられず、だいぶ舞台慣れしてきたのかなーと感想を持ちました。
前半の一番の見せ場で急にけっこう大きめの地震が来て、場内がどよめきましたが、きっと舞台装置も揺れたと思うけれども動揺することなくお芝居を続けていたのは立派です。
ただ、お客さんの方が動揺して携帯など取り出す人もいて集中力を欠き、お蔦が茂兵衛に金や簪をやって送り出す一番良い場面がなんだかじっくり浸って見れなかったのは、何より残念。地震に文句言ってもしょうがないのですが。
後半の、10年たって、角力にならずに侠客になった茂兵衛が尋ねてくると、鷹揚な朴訥としたあの茂兵衛が急にエリートサラリーマンみたいになって、カッコ良くなったのですが、これまで拝見した他の役者の芝居ではどこかに素朴な茂兵衛を残していたように思いました。利発さが滲み出てしまったという感じなのかな(笑)
また、S市に何度でも足を運んで欲しいものです。「お見捨て」などしませんよ〜!
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