2011年10月26日水曜日

映画「一命」

週末出勤の代休が火曜日(レディースデイ)だったので、迷わず映画に…。
お目当ては「一命」です。

海老蔵丈が、あの修羅場を見る事件を起こしたのは、この映画の完成記念の打ち上げの帰りでなかったでしたっけ?…事件の影響でだいぶ公開が遅れたんですね。一応、歌舞伎復帰を果たしての映画公開と…。

というわけで、まだ揚げ揚げで調子に乗りまくっていた頃の海老蔵丈のぱりぱりした演技。
これはこれで、見るべきモノがあった様な気がしますね。まぶしいおす。
オリジナルの「切腹」は見ておりませんが、きっと別な映画になっているんでしょう。海老蔵丈のやった津雲半四郎役は、当時、仲代達也さんが演じたそうです。「武士道」に対する感性が2011年と1962年ごろともまた違うだろうと想像できます。

…(以下ネタばれ注意!)…
「狂言切腹」の目論見が失敗してなぶり殺しにされた求女(瑛太)の敵討ちで、討たれる覚悟で井伊家の屋敷に乗り込む半四郎(海老蔵)が、自分を取り囲む井伊藩士に向かって、「運ひとつでそちら側に座ることもあればここで切腹させられることもある。同じ武士なのに、食い詰めて妻子を守るために命を投げ出さなければならなかった男を哀れとは思わなかったのか?」(意訳)と問い詰めると、「俺たちは間違った対応なんかしていない、何を甘っちょろいことを言ってんのか」(意訳)と役所広司が扮する家老・斎藤勘解由がやや後ろめたい気持ちを隠して一笑に付すのですが、このあたりが今どきのリアルなのかなと。

でも、能力も頭もいい人たちなのに、そこまで貧困に陥る前に、したたかに生活をなんとかする手立てはなかったのか?江戸時代でも…。とは思ってしまいました。脚本には。冷や飯の武士ってそこまで生活能力なかったのか?

海老蔵丈は迫力ありましたが、カッコ良すぎて渋さがないというか、瑛太たちの親世代という設定にリアリティが無かったです。お肌つやつやだし。暮らしに疲れたぼろぼろ感も無かったかな。
むしろ、瑛太は静的な演技がとても良かった。どうしようもなく憐れでした…。竹光の切腹シーンも近年稀に見る印象に残る映像でした。瑛太は役に恵まれているね。

それからお菓子を食べる場面がうまく使われていました。でも、「あの」とっても大事な場面のお菓子は、紅葉じゃないだろう冬なんだから。(完全にネタばれ…見た人はわかると思います)
屋敷内もおどろおどろしくて、形骸化した武家社会の象徴って感じでしょうか。だれが描いたのかな?あの襖絵。

場内は、お年寄りを中心にほぼ席は埋まっていた感じです。レディースデイだったからでしょうか?


蛇足ですが…。
MOVIXのシアター入り口の電光表示の案内が、ただの看板になっていました。
地震で壊れてしまったのかな。

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