2009年8月13日木曜日

譜面おこし

今週はお盆で先生のお稽古もお休みです。
「自宅でしっかりお稽古してね」と言われているのですが、帰省が続いて私も留守がち。
寸暇を見つけてお稽古しました。圧倒的に練習量が足りてないので、本当は帰省先にお三味線を持ち込みたいところですが、暑いさなかに車に乗せて移動することが躊躇われ、置いていくことしました。

いま練習しているのは、「春興」という現代曲です。
お唄が入らない、三味線だけの曲で、杵屋正邦さんの作曲。
ちょっと箏曲のようなフレーズがあります。

私たちがいつも使っている文化譜の譜面がないということで、姉弟子のどなたかが随分前に譜におこし、そのあと練習した姉弟子の間で複写に複写を重ねた手書きの譜をいただいたのですが、さすがに鮮明度が怪しくなっていたので、きれいにおこし直すことにしました。
どうやらWIN系のアプリでは文化譜を起こせるアプリケーションがあるらしいのですが、私のマシンにはインストール出来ないので、使い慣れているイラストレーターでつくることにしました。
苦労の甲斐があって、なかなか見やすくなりました。

三味線は、「口伝(くでん)と記憶」を基本に伝承されてきたので、明治になるまで譜面というものがなかったそうです。ご高齢の先輩の話をきくと、とにかく先生の手元を見ながら覚えなければならないので、1曲覚えるのにとても時間がかかったのだそうです。そして、譜面が一般的になった今でも、先生にお稽古をつけていただく時には、先生の前に譜面をひろげたりするのは御法度なのだそうですが、うちの先生は現代的な教授法(?)なので、あまりうるさいことを言われないのをいいことに勘弁していただいてます。ありがたや〜。
でも、譜面で覚えたのは忘れるのも早いとか。体が覚えた曲はしばらく弾いていなくてもすぐに手が思い出すそうです。とにかく練習なんですよね。

ちなみに、文化譜は上から「3の糸」「2の糸」「1の糸」をあらわす3本の線の上に、勘所を数字で対応させて、その音程と長さを表記するつくりになっていて、初心者でもある程度は音を追うことができてわかりやすいです。
このほかにも研精会譜(数字譜)というタイプのものもあるみたいですが、私は使ったことがありません。
また、お唄の方々が使っている譜は、縦書きの歌詞の横に三味線の音程が補記されたかたちのようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿